【スタッフ】 作曲:ジョン・カンダー●作詞:フレッド・エッブ●脚本:テレンス・マクナリー● 演出:砂田信平●音楽監督:島健●振付:須山邦明● 舞台美術:高田一郎●照明デザイン:雑賀博文●音響デザイン:荒川和彦● ヴォーカルトレーナー:泉忠道●コスチュームデザイン:山藤昇●コスチュームコーディネイト:黒川晶●ヘアメイク:倉田正樹●訳詞:忠の仁●演出・振付助手:伴眞里子● 稽古ピアノ:山口まどか・吉田育英●演出部:田中力也・石田雅人・花岡靖仁●制作補:石田祝●舞台監督:井上裕二● 照明:西村俊二・加賀谷央・平山幸治・井上一彦・多賀谷明子● 音響:村山総一・杉浦源樹●照明操作:(株)ステップアップ●音響操作:(株)東京音響通信研究所● 舞台装置制作:(有)クリエイション●小道具:高津装飾美術(株)●ウイッグ製作:スタジオAD● 制作協力:(財)民主音楽協会・(財)葛飾区文化振興財団●コスチューム協力:Primopalazzo NOVESPAZIO・東京衣装●ローラースケート指導:植木亘●パンフレットデザイン:(株)あい企画●PHOTO:神谷智次郎●制作デスク:山下香●制作進行:杉上紀子●制作助手:安井千波●制作:佐藤雄二●企画・制作:K-LINKS● |
【日程】
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【 MUSICAL NUMBER 】
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かつてのにぎわいは過去のものとなってしまった古びたローラースケートリンク。ここを女手ひとつで経営してきたアンナは、たった一人で時代と戦ってきた。そんな生活から決別するため、このさびれてしまったリンクを手放し、新たな人生をやり直そうと決意する。 そこに10年前に家出をし、7年間音信不通だった娘エンジェルが突然帰ってくる。彼女はこの10年で理想と現実のギャップをイヤというほど味わい、新たな出発を期して、夢で溢れていたこのリンクに戻って来た。しかし、リンクを棄てようとする母アンナの決意を知り愕然とする。 過去との別れを決意した母、もう一度リンクからやり直したい娘。過去にも行き違いを繰り返してきた二人の間にはまたもや激しい対立が…。 パンフレットより
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わたしの感想です。 平沢さんはアンナの夫でエンジェルの父、ディノ役。前回公演(1998年)はほとんどがアンナ夏木さんとエンジェル島田さんのふたり芝居で、ディノは出番が少なかったと聞いて(上記のSTORYを読んでもアンナとエンジェルしか登場してませんよね)、そうかぁ…と、内心がっかり…していたのですが、レッカーズのガイ(リンク解体工事の人)や回想シーンの街のチンピラの役で、思ったよりたくさん出番が、そしてダンスシーンが思ったよりたくさんありました。 そのダンスはと・に・か・く・かっこいい(*^^*) 平沢さんの踊る姿がかっこいいことは今さら言わなくてもわかってるっ!・・のですが、あらためてやっぱりかっこいい。何度でも言いましょう。むちゃむちゃかっこいいです! HPや手紙に書いてはいても、面と向って「平沢さん、かっこいいです」なんて言ったことのないわたしが思わず言ってしまいました(^^;;そのうえ「チンピラのダンス、短いのでもっと踊ってほしいです」と正直に告白したら、「ちょっとだけだからいいんだよ」と笑ってらっしゃいました。たしかにそうなのかも。それにあくまでお芝居の一部で、ダンスを見せるのがメインじゃないんだからそりゃそうですよね。レッカーズのダンスはみなさん楽しそうに踊ってらっしゃるので、観ていてもわくわくします。ローラースケートも。とても楽しいです(^^)。 さて、ディノは、なるほど今までになかった雰囲気の役でした。爽やかに「愛してるよ」なんてセリフも初めて聞いたような…。 ツアーが始まって3公演目の芦屋公演がわたしの初見だったのですが、最初は作品自体を楽しむ余裕はあまりなかったです。平沢さんがディノで出てくるとドキドキして(心配で(^^;)、出ていない場面だといつ出てくるんだろうってそわそわして、こんな観方は邪道だとは思います…。それでこの作品、ダンスはいいけど、あんまり好きじゃないかもって気がしていました。2回・3回と観たらダンス場面と平沢さんの出ている場面以外は退屈なんじゃないかと。 ところが、次の週、東京へ行って2回目の観劇をしたら、初見のときより作品自体をずっとずっと味わい楽しんでいる自分を発見。結局のところ予定より一日増やして東京で3日連続で3回観たのですが、全然退屈しませんでした。 わたしの観方にも余裕ができたんでしょうし(笑)、東京ではキャストのみなさんもかなり余裕が出たように感じました。慣れた劇場だからというのもあるでしょうけれど。 主演のふたりの女優さん、夏木さんと島田さんの魅力がふんだんに活かされ、輝きを放っている舞台だなぁとあらためて思いました。 わたしは、話の展開は別にして、観れば観るほど夏木マリさんのアンナが好きになっていました。夏木さんの舞台は、レミゼのテナルディエ夫人しか知らなかったもので、こんなに芸達者な方だったとは!と、驚きました。その雰囲気も、華やかで輝いているアンナにぴったり。エンジェルのためにダンスパーティを開いたときのアンナ、かっこよくて好き(^^)。そして娘時代のアンナはなんて可愛い人なんだろうって思います。現在のアンナから回想シーンの中の娘時代のアンナに一瞬にして変わる夏木さん。芦屋で観たときは「ちょっと無理が…」って実は思ってたんですが(すみません)、2回目に観たときには全然不自然感じませんでした。何人もの男の子に思われながらもディノに夢中の可愛いアンナ。平沢さんのディノもなんだか可愛くて、結婚前の二人はとっても微笑ましく思えます。 最初のディノの登場場面は娘エンジェルの5歳の誕生日のパーティ。黄緑のシャツにピンクのスーツというすごい配色の衣装の平沢さんですが、妙に似合っている(^^;;。そしてそのパーティでディノとアンナは組んで踊るのですが、二人ともとっても素敵でしたね。踊るディノはホントに素敵(*^^*)で、いい男ですよ。そりゃアンナがぞっこんなのもわかります。 ところで、踊っているときの平沢さんの手っていいなぁってよく思う。もちろん手だけじゃなくて顔も腕も足先も全てがものを言う感じで全身素敵なんですけどね〜。…ファンらしい言葉だこと(笑) さて、作品についてですが、描かれる話についてはいろいろと思うところがありました。娘の側からの母に対する葛藤というのは身につまされるものがありました。わたしの母も華やかで明るくてみんなの中心的存在だけれども、わたしは性格父親似で、おとなしくて地味で引っ込み思案でした(今のわたしを知ってる人が同意するかどうかはわかりませんが…(^^;;少なくとも昔はそうでした)。自分の前に立ちはだかり追いつけない超えられない母親の存在。愛情はありながらも母から逃れたい気持ちってわかるんです。わたしは家出は考えませんでしたが、遅くとも30歳までには家を出て独立しようと思っていました。結果的に、社会人になってわりとすぐ縁あって結婚したので自然と独立できましたが…。ディノやアンナの心理や行動についてもいろいろ考えてしまいました。 あとわたしのポイントはレニーですね。子供のころからアンナを一筋に思ってきたレニー。レニーの歌う「Marry Me」はぐっときます。この歌は初見から好きでした。あそこまで言われたら女冥利につきますよね。アンナがディノに夢中なのを知っていてプロポーズして断られて、「僕はディノのようじゃないただのレニーだけど」いつも君の側にいて、君の幸せを願うと。アンナはレニーと結婚していたら全然違う穏やかな人生だったでしょうに。それでも大好きなディノに思われて彼を選んだアンナの気持ちもよーくわかる。恋に盲目な若い頃というのはそういうものですよね(…おばさんみたい…(^^;;;)。 「いつもそばにいるよ」というレニーは結婚もせずにずっとアンナを見守り待ち続けたのだろうか。アンナの幸せを願い続けただろうに、彼女を捨てたディノを恨まなかったかな。ディノに去って行かれたときアンナはレニーを受け入れなかったのね。まあでもレニーの思いが真面目で深ければ深いほど、そういうわけにはいかないよなぁ…とか、よけいなことまで考えてしまった(^^;。 とまあ、この作品、観れば観るほど深くはまってしまいます。ディノの心理についてもいろいろ考えてしまいましたが、きりがないのでこのへんでやめときます。 さ、でもいろいろとありながらも、アンナとエンジェルふたりの気持ちが前向きになって終わるので、観終わったあとの気分が爽やかなのがいいですね。加えてカーテンコールのダンスは最高!そりゃもう楽しいです! わたしの『ザ・リンク』はあと大阪公演1回ですが、また旅公演を経てどんな風になってるかな〜。楽しみです(^^)。《2000.6.20》 |