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●場面ごとの内容の詳細とわたしの感想です。内容説明はあくまでも舞台を観たわたしの印象と記憶と解釈によるものです。実際の脚本、演出の意図とは異なるかもしれません。その点をご了承のうえお読みください。ご意見ご感想(苦情でも)がありましたらメールにてお願いします。間違ってることを書いてたらぜひぜひ教えてくださいね! ●参考資料:パンフレット、CD「ACTRESS」、テレビ東京「みゅーじん」、「女性自身」(10月23日号)「シリーズ人間(戸田恵子)」 |
舞台セットは背景に赤いカーテンのついたスクリーンが。
舞台上には演台になったりベンチになったりベッドになったりする、キャスターつきの便利な箱が3つ。 あと登場するのはガラスの花瓶がいくつかと濃いピンクの薔薇の花。 この薔薇は、4人がぱらぱらと持って出てきて、裁判の進行とともに増えていくのですね。効果的で重要な小道具です。 開演アナウンスは、アンパンマンファミリー(笑)。ジャムおじさん、バタ子さん、チーズが登場し、「携帯を切る」ことや「撮影、録音はいけないよ」ということを優しく教えてくださいます。楽しいわねぇ(^_^) |
街の喧騒を思わせる効果音が流れ、背景のスクリーンに時計と山野の映像。 秋の夕暮れを思わせる舞台に、戸田さんがひとり黒いコートをはおって登場。「里の秋」を静かにアカペラで歌います。なんとなく寂しげな、悩んでいるような雰囲気。 「わたしはこのままでいいのでしょうか」とつぶやく戸田さんに答え、ミュージシャンと、出演者4人 が秋の虫に扮して(?)鳴きながら(?)登場します。4人とも黒&シルバー(ゴールドだったかな?)のストライプのシャツに黒いスーツ。頭には虫の顔のついた黒い帽子(笑)。触角もついてます。 で、裁判に突入。 戸田さんはコートを脱ぐと黒ラメ素材の上下、たしかタートルネックでノースリーブのワンピース風の上衣&パンツのスタイルでした。 罪状は「女優継続疑問罪」。 4人の質問に戸田さんが答える形で「女優・戸田恵子」の半生が語られてゆきます。 |
そもそも戸田さんが芸能界に入ったのは、地元で行なわれたちびっこのど自慢大会に出たことから。 ところが、一回目の予選では落選。2回目の予選を受けてチャンピオンに選ばれたのですが、なぜ2回目だったのか。けして入絵さんが指摘する「なんでも2回するのが好き。。。」 というわけではなく(笑) それには深〜い理由がありました。 出てくるちびっこたちがこぞって、当時人気だった、いしだあゆみさんの「ブルーライト・ヨコハマ」を歌いました。 次々と合格していくちびっこ達。 最後のほうの順番だった少女・恵子も、やっと順番がきて「ブルーライト・ヨコハマ」を歌ったんですが、ろくに歌わないうちに「ブー!」 不合格! えー、まだちゃんと歌ってないのにー!! 司会者の人がいうには、「もうこれ以上ブルーライト・ヨコハマいらんわー」とな〜(名古屋弁のアクセント…なのか?名古屋弁には詳しくないもので(^_^;) ちなみに、司会者は蝶ネクタイをつけた斉藤さん。ちびっこたちは、歌った順に入絵さん、麻生さん、平澤さん(笑) 戸田さんも含めてみんな、リボンのついたカチューシャをつけてちびっこになってました。 女性達はそれなりにみなさん可愛くなってましたが、ひとり…リボンカチューシャがまったく似合ってない少女が(笑) それはヒラサワサトコちゃん… いやそれはそれでそれなりに、キュートで…ああっ無理があるっ!!(笑) 心にもないことを言うのはやめよう!!でもある意味、、キモカワ? ということで次。 ろくに歌えず落選してしまった恵子は悔しくて、もう一度、別の曲で予選を受けなおしました。その歌が、 |
これで恵子は見事チャンピオンに選ばれ、グランドチャンピオン大会に出場することに。 ところが、そのグランドチャンピオン大会も続けて収録するという。 そう、2本撮り。 「さ、戸田さんも早く着替えて用意してね」と司会者に言われるも、恵子はほかの衣裳は用意してなくて… しょうがないから、そのまま同じ衣裳で出ることになりました。 残念ながらグランドチャンピオンには選ばれず。(と、これは平澤さんがカチューシャをはずして言います。) そのTV放送があった翌日。クラスメイト達(入絵さんと麻生さん)に、「恵子ちゃん、2回とも同じ衣裳!衣裳あれひとつしか持ってないんかぁ!」などとからかわれ… 「ちくしょー!あれは2本撮りのせいだぎゃー!」と叫んでみるも…「とにかく間が悪いのよわたしは…」と、むなしい恵子なのであった。 ところで、9月初めにテレビ東京系列で放送された「みゅーじん」をあらためて観ると、このチャンピオンに選ばれたときの戸田さんの写真が出てきました。おお、これが2本撮りの!とか思っちゃいました(笑)。 さて、その後恵子は地元の児童劇団に入り、のちの「中学生日記」の前身である「中学生群像」に出演。 そして歌手デビューへと。そもそもなぜ歌手デビューすることになったか。地元のオーディション番組にサクラで出たところ、本当にスカウトがかかってしまい、「これで私も明日から山口百恵だわ!」とほいほい上京してしまったのであった。。 そのとき、15歳と11ヶ月。芸名「あゆ朱美」。当時、「あ」のつく歌手が大活躍していたことから欲張ってふたつも「あ」をつけてしまったと… さて、そのデビュー曲は…(4人は「ああっ」という感じで顔をふせて去る) |
…これは売れないでしょうという…なんだかつらい歌…歌詞にも「つらい」という言葉がでてきましたが。生きていくのがつらくぅ〜なる…そんなぁ夜には〜〜 「つらくなったのは私でした。」と戸田さん。 まったく売れず。幕があいたらお客さんが二人くらいしかいないときも。「こんなときこそ心をこめて歌うんだよ。」と、マネージャーに言われるも、「なら、おまえが心をこめて歌ってみろよっ」と心の中で叫びながらも、、、心をこめて歌った恵子、いや、朱美なのでした。 レコードはとにかくまったく売れませんでしたが、バラエティ番組に出演してコントをやったり、キャンペーンでいろんなところに行ったり、楽しい日々でもあった。 その頃、DJをやっていた恵子は、ある予知能力がありました。 自分の番組で曲をかけると、その曲がヒットするかどうかがわかったというのです。 自分の曲にはまったくその予感はありませんでしたが(^_^; その頃、「この曲が自分の曲だったらなぁ」と憧れていた曲がありました。 それは |
いい歌ですねー。大ヒットしてこの年、新人賞をとったそうです。 ここで4人は、上着を脱いで、シャツ姿になって登場します。 この曲が「あゆ朱美」の新曲だったら…今も「あゆ朱美」がこの世に存在し、女優「戸田恵子」はいなかったかもしれない。 「あゆ朱美」をやめたのは、4枚のシングルを出し、高校を卒業する頃にはもう20歳を目前にしていて、もう潮時かなと。。。 その頃、お仕事でつきあいのあった野沢那智さんに誘われ、「劇団薔薇座」を見学に行く。 そのリアルな地味さかげんに心動かされ入団することに。 |
劇団薔薇座時代に出演したさまざまなミュージカルより。 5人で歌い踊りまくります。わくわくします。楽しいですよぉ。最初のComedy Tonightで平澤さんの「背落ち」が披露されます。 「Comedy Tonight」『ローマで起った奇妙な出来事』より 「Lida Rose」『ザ・ミュージックマン』より 「Wall Street」『踊れ艦隊のレディたち』より 「Dear Tom」『旅立て女たち』より 「煙突そうじの唄」『アップル・トゥリー』より 「Big Spender」『スイート・チャリティ』より 「もう恋などしない」『アパートの鍵貸します』より 「Greased Lightnin'」『グリース』より 「Comedy Tonight」で華やかに軽快に始まり、次の「Lida Rose」では、男性二人と腕を組んで。そして「Wall Street」はアップテンポなかっこいいダンス!平澤さんがね〜平澤さんがね〜…かっこいいの!本領発揮!好き好き〜! 「Dear Tom」はしっとりと戸田さんのソロ。 「煙突そうじの唄」。男性二人が箱とモップ、バケツを用意し、戸田さんはニットの帽子をかぶり、キュートな煙突掃除の女の子に。昼間はビルの掃除で働きつつ、夜は映画スターを夢見る。 平澤さんが「働いて!」と言い、斉藤さんが「そして、夢見る」。 戸田さんはそのたびにくるくるとモップで掃除し、後ろの箱(ベッド)によじ登って(笑)横になる。なんとも可愛いんですよー。 ある日社長がやってきて彼女に告げる。「クビ!」 この社長役、平澤さんです。なんか妙におかしい(笑) 職を失った彼女は、食べるものもなく、風邪をひいてしまっても鼻をかむティッシュもない。 食べ物(とりの足のような…)を持って見せびらかしにくる斉藤さんと、ティッシュの箱を持ってやっぱり見せびらかしにきてちょっとタップ風のステップをふむ平澤さん。 二人が去っていくと、戸田さんのソロ歌となります。 映画スターへの夢を可愛くキュートに歌い終わると、音楽、照明の雰囲気が一転。 「Big Spender」です。男性二人がピンクの羽ストールを持って出てきて戸田さんの肩にかける。 戸田さんの表情もガラリと変わります。うわぉかっちょいい! 麻生さんと入絵さんもピンクの羽ストールをまとって登場。 二人ともシャツのボタンをふたつみっつあけて、黒&パープルのブラを覗かせ、セクシーにかっこよく歌い踊ります。 男性二人も絡んで、大人っぽいナンバーです。 5人がかっこよくポーズをとって終わると、戸田さんはまたガラリと雰囲気を変え、ソロ歌「もう恋などしない」 途中で斉藤さんが登場。二人でデュエット。一緒に椅子に座ったり背中合わせになったりしていい感じ。 歌が終わると、その他3人が下手側から、連なって姿勢を低くして登場。 と、音楽変わって「Greased Lightnin'」 ロックな歌とダンスが繰り広げられます。楽しい!かっこいい!! 草月ホールでは、舞台前面にあるモニタースピーカー(?)に平澤さんが片足をかけて歌うところがあってきゃーかっこいい〜!!と思っていたのですが、大阪公演では、舞台が広くなったため、普通に舞台に広がって歌うことになってしまい、ちょっとだけ残念(笑) 全員が一列になってバイクに乗ってる感じの振りがあったり、このナンバーほんと楽しいんですよねー! 振付家・平澤智の魅力も発揮されていると思います! 最後のほうに、平澤さんと斉藤さんが舞台前面から奥に向かってV字を描くように斜め方向に側転。ひらりとさりげなく。 そのあと、戸田さんが、舞台を横切る形で、綺麗に側転を決めます。かっこいいです〜! 客席も熱く盛り上ってミュージカルメドレーは終わります。 みなさん、はぁはぁと息が切れているのがちょっとうかがえますが、このあとすぐ台詞を言うのは平澤さんです。 JAC出身、「JAC的体」な平澤さんですから(笑)。 関係ないんですけど、以前、高泉淳子さんとやった「シークレット・クラブ」でこういう話題があったんですね。JAC出身者は超人的な体力の持ち主であると…詳しいことは「シークレット・クラブ」のページをご覧ください。 |
「その頃、あなたは声の仕事を始めましたね?」と平澤さんに問われた戸田さんは「はい、声優の」と答えます。ここでじつは「えっ西友?」って心の中でボケてたんですけど、本当に入絵さんが
「西友で働いてたの?」、うう、発想同じ・・・(笑) でも入絵さんは、なおも「ああ、あなた言いなさい。と英語で言ってるのね?Say you!」...この発想はなかったです(笑) そうじゃなくて、声優というのは、戸田さん曰く「声だけで素晴らしい芝居をする人」のこと。 斉藤さんが戸田さんの声優のお仕事リストを読み上げ紹介します。華々しい活躍。その中で特筆すべきは2番目出会った「機動戦士ガンダム」の「マチルダ」さん。そしてこの仕事で、最初の夫・・・に出会います。わたしもガンダムはそれなりに観てましたけど、赤い彗星のシャア、かっこよかったですねー。じつはセイラさんのお兄さんなんですよね。「キャスバル兄さん」とセイラさんは呼んでましたねー。と、一見関係ない話を繰り広げてみたりして(笑)。と、まあそんな感じで戸田さんは最初の結婚をしたわけですが、ジオン軍と連邦軍の結婚はうまくいかなかったそうです。 そして、歌手「あゆ朱美」ではなくなった「戸田恵子」の歌う「コスモスに君と」で「ヒット賞」をもらったのでした。「伝説巨神イデオン」の副主題歌だったそうです。 CD「ACTRESS」にはボーナストラックとして当時の音源から当時の声のまま入っています。可愛い声で(笑)。でもステージで聴いた「コスモスの君と」もとってもよかったです。こっちも入れてほしかったなぁ。途中4人がコーラスをつけます。 |
30歳になった戸田さんは劇団薔薇座を退団。10年間在籍したということですね。なぜ退団したのかと問われ、戸田さんは答えます。今となってはどうしてなのかわかりませんが、ひとつだけはっきりと言えることは、、退団するのは離婚するよりも大変だったということ。 そして戸田さんにとって大きな転機となる三谷幸喜さんとの出会いがありました。劇団時代から、舞台を観てくれていて、あるとき千秋楽の打ち上げに花束を持ってきてくれたそうなのだが、戸田さん自身はまったく記憶にないとか(笑) その三谷さんにより、ドラマの世界にいざなわれ、そして映画「ラヂオの時間」にわがままな演歌歌手「千本のっこ」役で出演。助演女優賞をいただいた。 「ACTRESS」観劇前に「ラヂオの時間」を観ましたが、千本のっこの戸田さんはなんとも魅力的な女優さんでしたねー。映画もむちゃむちゃ面白かったですよ。で、その「ラヂオの時間」の中に登場する千本のっこのシングルCD「渡りに舟」。映画の中ではイントロしか流れませんでしたが(彼女がヒロイン役をするラジオドラマのエンディングにかけろと要求するのですが、、)きっちりレコーディングもして、サウンドトラック盤にはがっつり入っているそうです。 で、その「渡りに舟」、面白い…です(笑)振付もおかしい!でも好きっ(笑)ええもう客席もがっつり手拍子で参加しましたとも!(笑) |
4人が去り、一人になった戸田さんは語ります。「実際、私の人生は渡りに舟だったかもしれません。」 挫折しそうになったら誰かが手を差し伸べてくれて。はたから見ていると順風満帆に見えたかもしれない。でもその裏では、辛い別れもいろいろあった。たくさんの先輩が、そして母が天国に引越しをして、楽屋で1人泣きながらメイクをしていたときもあったと。その年、神様がたくさんの演劇の賞を与えてくださった。いつまでも泣いていてはいけないよと励ましてくれたのかもしれない。 人生に何かひとつ大切のものがあれば生きていけると教えてくれたのがこの曲、ミュージカル「オケピ!」より「サバの缶詰」。演台を裏返すと、椅子になります。そこに座って歌います。 この「サバの缶詰」、最初に「オケピ!」を観たとき、この妙な歌詞の歌がこんなに素晴らしく、感動的な歌になるなんて!と感動したものです。。 |
4人が登場しいよいよ「判決」。 判決は・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・「有罪」 有罪?…ということはこのままではいけないということ? そこで4人「そうです。そのままではいけない。もっともっと進化し続けなさい!」 4人がそれぞれそばにあった花びんから薔薇を持ってきて戸田さんに差し出します。 「進化」とは「進んで化ける」と書く。 薔薇の花束を受け取った戸田さんは、「はい。進んで進んで化けて化けて、進化し続けることを誓います!」と明るく宣言。 ここで冒頭とはまったく違う明るい雰囲気の「里の秋」、2番の歌詞ですね。 あかるいあかるい星のそら… 5人で歌い、「女優継続疑問罪」の裁判は終わりを告げるのでした。 最初と同じように黒いコートをはおった戸田さんがひとり残り、4人は去っていきます。 戸田さんの表情がまたガラリと変わってクールになるのが印象的。舞台は暗くなり、戸田さんは背を向けて舞台奥へ。 そして、背後のスクリーンに、最初にもあった時計と山野の映像が流れます。 |
一幕最後を飾るのはスペシャルな一曲。PaniCrewの植木豪さん作詞作曲のナンバー。この曲だけ、振付は「ただこ」さんです。 薔薇の花はひとつにまとめて後ろの花びんにさしてあります。 戸田さんが歌いだし、戸田さんと同じように黒いコートを着た4人はひとりづつ登場し踊り始めます。大阪では4人同時に登場していました。踊り始めるのは順番でした。東京でもひょっとしてそうだったかも? この曲を踊り狂う平澤さんのそれはそれはかっこいいこと! もちろん平澤さんだけじゃなく、5人のいる風景がかっこいいのです! 下手側舞台前面から5人が斜めに一列に並んでそれぞれの振りを踊るところがあるのですが、大阪公演で、下手側の席で観たときに、一列に5人が並んで踊っている(戸田さんも歌いながら踊っていました)のが綺麗でかっこよくて感動してしまいました。。 いつまでも観ていたい、、、けど、、いつまでもやってたら踊ってる人倒れてしまいますよね(笑) 決めポーズは「Vサイン」です。「女性自身」(10月23日号)の「シリーズ人間(戸田恵子)」にこの場面の舞台写真が載っていましたよ。 さて、一幕終わりです。またここにアンパンマンファミリー登場。いつも休憩時間はすぐにお出かけ(笑)していたため、気にはなりながらもちゃんと聞いたことがなかったのですが、大阪公演はお出かけ場所(笑)にも放送が入っていたため、聞けました。てんどんまん、かまめしどん、かつどんまん達が、要するに「トイレに行く前にグッズを買え」と言っていたような気がします(笑)。買い物なら、開演前に済ませました! |
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