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Miss Saikon ミス再婚

●ミュージカルナンバーごとの内容の詳細とわたしの感想です。内容説明はあくまでも舞台を観たわたしの印象と記憶と解釈によるものです。実際の脚本や演出の意図とは異なるかもしれません。その点をご了承のうえお読みください。ご意見ご感想(苦情でも)がありましたらメールにてお願いします。間違ってることを書いてたらぜひぜひ教えてくださいね!
●参考資料:パンフレット


一幕

M1 NEXT DOOR I
全員


セットはシンプル。板の壁に囲まれた空間という感じ?左側、右側、センターに扉が3つ。白っぽい空間です。
ウェディングベルが鳴り響き、教会音楽が流れるなか、左側の扉が開いて、ウエディングドレス姿の希美(香寿さん)がしずしずと登場します。しかし、手にしたブーケ が飛んで行ってしまい、ドレスも一瞬のうちに飛び去ってしまいます。
エンジのスリップドレス姿になった希美のダンス。ここのダンスが妙に(?)ダイナミック。セ ンターの扉が開いて右手を外に出し、手を戻すと、そこにはピンクのハートのクッションがくっついています。そのハートに振り回されるような感じのダンス。
左側、 右側の扉から、同じようにピンクのハートをつけた平澤さんと新納さんが登場。希美は去って二人でやはりハートに振り回されるような感じでひとしきりハードに踊りま す。
二人が去ると、成瀬さん、安崎さん、パクさんがピンクのハートをつけて登場。
やはりハートに振り回されるダンス。途中でハートをはずして平澤さんと新納さんが再び登場、一緒に踊り始めます。他の3人もそれぞれハートをはずしてきて、5人での群舞になります。成瀬さんを頂点に三角形のフォーメーション。全員で同じ方向を指さしながら左右に動く。緊迫した雰囲気。
そして、センターの扉から希美が登場。
希美以外の人は一瞬ストップモーションになり、コーラスが始まります。スキャットの歌。成瀬さんが歌い始め、希美のほうに近づいてちょっと絡んで去っていきます。
その後、同じような感じで新納さん、パクさん、安崎さん、平澤さんと歌い継ぎ、希美の歌になります。安崎さんとパクさんと平澤さんは、台を転がして出てきてセッ ティングし、最後は3人のコーラス。

希美以外の全員(TIMES)はベージュの衣裳で、上着の裾が長い燕尾風なんだけど、ひとりづつデザインが違います。帽子もかぶっていますがこれもひとりづつ違う帽子で す。平澤さんはハンチングでした。よく似合ってた。安崎さんはキャスケットだったかな。パクさんはソフト帽のような。新納さんはテンガロンハットのような?つばの ある帽子でした。成瀬さんは…やっぱりつばのある帽子でした。すみません、曖昧で。いかに誰かさんにばかり注目してるかよくわかりますね(笑)

M2 HOW TO・・・
礼子・俊介


前場面から続いて、3人が去った後、うす暗い中、お店の準備をする礼子(成瀬さん)と俊介(新納さん)。左右の壁にそれぞれ下のほうを支点にしてちょうつがいで長い板が取り付けられていて、それが ゆっくり開いて下りてきて、板が床にセッティングされた台に乗っかってお店のテーブルになるのです。壁に収納できるテーブル。狭い家のリフォームする番組に出てくる匠の仕事みたいだなぁ(笑)それから、天井から黄色と緑をメイン色にしたペーパークラフトみたいな照明器具が降りてきます。綺麗なのです。疲れた心と体を癒すという店にぴったりだなぁって思います。テーブルもランチョンマットも綺麗な薄いグリーンでまとめていて、安らぎそうですよね、ほんと。
ひとりで、お客様を迎える挨拶の練習をする俊介。「お一人様どうぞ〜」は傷つくんだよな。「おかえりなさい、ご主人様!」(メイドカフェ風)はキモイ。検討の結 果、明るく「おかえりなさい!」がいいんじゃないかと思いつき、礼子に言ってみるが、「好きにすれば?」とクールに突き放されてしまいます。
俊介と礼子は意見が合わない。礼子はくだらないおしゃべりや挨拶よりも、純粋に料理の味と中身で勝負。俊介はそれも大事だけど、雰囲気やおもてなしなどトータル コーディネートが肝心だという。ふたりの歌。テンポよくコミカル。

そうこうしているうちに希美登場。おまかせランチを注文するも「胃が重くて食欲がない」という希美。俊介は「希美さん、冷え性でしたっけ」と希美の体調をリサーチ し、ぴったりの料理をコックのさきやんに作ってもらいます!と張り切って去っていきます。コックさんの名前ですが、東京ではミュージシャンの方々の名前を日替わり で言ってましたね。「とぶをさん」「丹さん」。大阪は二日とも「さきやん」でした。

M3 ああ結婚
希美・TIMES(平澤・安崎・パク)・礼子


クリニックの経営がうまくいかず、やめたいと思っている希美。おそらくいつも同じようなことを礼子に言っているんだろう。礼子は辛らつなコメントをしつつも、希美 の愚痴を聞いて相手してやっている。
小さい頃から優等生でプライドの高い希美。たんかを切って大病院をやめて独立したんだから、うまくいかなくて撤退なんかしたら、みんなに笑われる。世間を納得させ るには、誰もがうらやむようないい男をつかまえて再婚するしかない。あんないい男と結婚するのなら、仕事をやめるのも当然よねと言われたい。希美は、この手にもう 一度結婚指輪を光らせるわ!と歌います。
3つの扉から赤い手袋、サングラスのTIMES(平澤さん、安崎さん、パクさん)が現れ希美の歌に合わせコーラスをつけ、踊ります。きびきびっとしたキュートなダンス です。ここのダンスも素敵なんですよね〜。好きです!
TIMESの3人が扉の向こうに去ると、礼子が登場し、希美と礼子、二人の会話と歌。
それにしても、希美さん、一度も結婚したことがないのならまだしも、一度その誰もがうらやむエリートの男との結婚生活が破綻したというのに、ここまで結婚に夢を抱 けるってすごいなぁと思います。しかもそれほど若いといえない歳なんだし、今現実に恋人どころか好きな人さえいないという状況で。よほど自分に自信があるのか、現 実を見ることができないお子様かどっちかだなぁ。でもまあ、このお話、そんな真剣な見方をするほうが間違っていますので(笑)お気楽にいきましょう。
そんな希美の前に現れた第1の男。韓国ナンバー1の電機メーカー・キムソン電機の御曹司、日本キムソン電機社長、キム・カンミン(パクさん)。

M3a 私の商品価値
キム


さてキムは「ホワーイ!?キム!」と歌いながら登場。店に入ってきたキムに色めきたつ希 美。礼子に「素敵じゃない!誰!?」と問い詰め、御曹司で社長ということを知り、ますます色めきたつ希美。
そのキムは「また値段が下がってしまいました。」と落ち込んでいる。何のことかというと、質問に答えることで自分の値段を調べるというインターネットのサイトには まっているらしく、すっかり自信喪失しているキム。
横からつい口を挟んでしまった希美。驚くキムに、あらためて「高嶺希美です。」と自己紹介するのですが、「たかねのぞみ」と音で言われると面白いですね。ああいか にもねぇって思わせて観る人の緊張をほぐしますね(笑)
そのうえ、キムが「金に強い民、と書いてキム・カンミンです。」ですからね。つい笑ってしまう、ここ。それを狙ったネーミングだとは思いますが。 礼子が「人の話を聞くのが商売だから、聞いてもらったら?」とキムに薦め、キムは今日の自分の値段はいくらだったかを歌います。

M4 必要とされない僕
キム

自分の値段はともかくとして、どうやら、自分の会社が今大変なことになっているらしい。時間外取引によって一晩で株を25%取得した会社があるらしく、なんだか大変 らしいのに、会社の幹部は何も言ってくれないし、僕のことなんか誰にも必要とされてないんだと嘆くキム。
「もう死にたい!」と言うキムに、希美は「そんな!キムさんのことを必要としている人はいるはずです。少なくとも、私はこうやって知り合ったキムさんが死んだら悲 しみます」と訴える。
嘆くキムの歌。希美の説得に心を動かされ「誰かに必要とされたい僕…」と歌うキムと、その姿に「ちょっと脈あり?」と小さくガッツポーズの希美(笑)

M5 M&A
希美・キム

なんとか気を取り直して食事を始める二人。
その買収をしかけてきたのが「ゲットコーポレーション」、その社長はその強引なやり方から「強盗慶太」の異名をとる「後藤慶太」、今、赤丸急上昇中の青年実業家だ と知った希美は、何も知らないキムに「敵対的M&A」から「TOB(株式公開買い付け)」そして株を50%取得し完全子会社化して乗っ取り成功までの道のりを教える。
黒のレザーファッション(背中に髑髏の絵)に身をつつみ、サングラスの「後藤慶太」(平澤さん)がタバコをふかしながら下手側の扉から現れ(かっこいい〜!)、 希美の歌に合わせて妙なダンスを踊ります(笑える〜)。妙な人形がついた灰皿にてタバコを消したかと思うと、今度は敵対的M&Aを示すプラカードを持って出てきて示 します。これって希美の妄想っていうかイメージなんだけど、ひそかにかっこいい平澤さん!

M6a 存在
希美


希美に教えられて初めて、今本当に会社が大変な状態にあることをやっと理解したキム(それって社長としてどうかなあ?)は、乗っ取りをふせぐためにはどうすればいいか教えてくれと希美に懇願。希美はキムに、ポイズンピル(新株予約券の発行)について教え、会社とは社会のためにあるものだと、そして株式会社は株主の利益のためにあるのだと諭す。そして、あなたを必要をしている人もいるはずだ。少なくとも、あなたがいなくなれば私が悲しむことを忘れないでくださいと。

M6 自分の存在(社会のために)
キム


希美の言葉に力づけられたキムは、会社と社会のために、なぜ自分が存在しているのかという問いにあらためて立ち向かう決意を歌います。パクさんのソロ歌、見せ場です。

M7 過去・現在・未来 I
TIMES(平澤・安崎・新納)・希美


うす暗い中、ひとりでパソコンに向かう希美。食事をしながらパソコンを使っている様子。
下手側のドアからTIMESの一人、平澤さんが現れてひとりでタップ。パソコンを操作する希美のイメージかな。そのあと安崎さんと新納さんが現れて、三人はひとりづつ希美に対して語りかけるように歌います。「希美、希美…おいしく食べてるか?」と歌いだしは安崎さんでしたね。平澤さんは希美の前の椅子に座っています。次に平澤さん「友達はできたか?」最後に新納さん「勉強はどうだ?またクラスで一番だったそうだな」
ここで、希美が小さい頃から優等生だったことがわかりますね。
…希美は父の思い出へ語りかけます。父は希美が小学生の頃(かな?)に母と離婚して家を出ていった。「お父さんは、なぜ家を出て行ったの?」
父の思い出はさらに語りかけてくる。「希美はいい子だな…」
ここから曲がアップテンポに。TIMES三人でタップと歌になります。過去・現在・未来。
前を向いて後ろ向いて。上を向いて下を向いて。どっち向いて生きていくのか。ここの歌とダンスも好き。
歌いながらタップを盛り込みというナンバーなのですが、最後のコーラスに入る前に、一瞬歌が途切れるところ。ここでいつも平澤さんひとり、たたたたん!とタップを入れて二人にとがめられ、三人がセンターに集まってから、最後のフレーズのコーラスを歌い、TIMESはそれぞれ出てきた扉から去っていきます。このとき、最後まで片手を扉の外に出して希美のほうへ手をひらひらさせているのでした。

M8 ライフプラン
希美・礼子・俊介


食後のコーヒー(かな?)を礼子が運んでくる。なぜかびっくりする希美。礼子はいないと思っていたらしい。
先日のキムへのアプローチ「あなたが死んだら私が悲しみます!」について、希美をからかう礼子。
しかし希美に言わせると、あれは自殺志願者に対する基本的カウンセリングなのだと。とはいえ、多少はキムさん本人にアプローチする気持ちはあったけど。いずれに せよ、実際はポイズンピルが有効に作用した例はほとんどないし、キムさんは経営者としては後藤慶太にかなうはずもなく、キムソン電機はゲットコーポレーションに乗っ取られると思う。でも同じ結果になるとしても、できるだけの努力をしてそうなったのならメンタル面での影響が全然違うはずだから。つまり、あれは希美によるキムさんへの個人的な特効薬だったってわけ。あとはキムさん次第。そんな風に説明されてそれなりに納得する礼子。

希美は歌う。人生の青写真、しっかり計画立てたはずだったのに。こんなはずじゃなかった。
でも人生ってそんなもの。計画通りにはいかないものよ。と礼子。
パスタを見習いましょう、和風、洋風、中華、どんな味にも臨機応変。と俊介。この歌も楽しくて好きです。とくに俊介&礼子のふたりが楽しい。一人が歌ってるとき に、もうひとりがヘッドホンで音楽聴きながら踊り狂っているという設定が面白いなあ。
途中で希美の携帯が鳴る。希美の携帯の着メロは松田聖子「赤いスイトピー」古っ(笑)でも「I will follow you〜」ってなんとなく希美にぴったりですね(笑)俊 介が歌いながら携帯を希美のもとへ。
「はい、高嶺です」とめんどくさそ〜に電話に出る希美。しかし、電話の相手はキムであった!突然、声のトーンがあがる希美。キムが言うには、なんと希美の助言のお かげで乗っ取りを阻止できそうとのこと。そしてお礼に明日の夜、ご馳走したいと誘われて有頂天になる。歌の最後は「バツイチ〜女のラストチャンス逃す〜な 〜」と三人で意気が上がるのであった。

M9 フォーチュン・テリング
フォーチュン・テリー・希美

「どうしよ〜っどうしよ〜っ!!何着ていこう〜っ!?」と我を忘れて興奮する希美に俊介が椅子を叩いて「ハウス!」(笑)
有頂天になっている希美を観察しつつ、ちょうどそのとき店に現れたなんとなくうさんくさい(笑)男(安崎さん)。
うまいタイミングで電話がかかってきて(自分で鳴らしたんですよね)、「私の占いのおかげで、ご結婚!」と希美に聞こえるように、大きな声で会話するその男は、どうやら占い師のようである。
「キーマカリーとチャイくだちゃい」と駄洒落を言って注文をするその男に、わらをも掴む気持ちの希美は、占ってほしいと頼むのだった。
「おまかせくだチャイ!」と、その占い師、フォーチュン・テリーの自己紹介の歌(笑)です。面白いんですよ〜、この場面も。

さて、「ずばり言うわよ!」と次々と希美のことを言い当てるフォーチュン・テリー。希美はすっかり信用、「明日勝負に出たいんです!」と相談し、「幸せカムカム小僧」という変な人形を売りつけられるのでした。この人形、口もとがもぐもぐしていて、「噛む噛む」と「COME!COME!」をかけているんだそうな(笑)
人形と見料で4万9千円、現金オンリーと言われるが、5万円もの現金を持ち歩いてなかった希美は銀行でおろしてこようとするが、なぜかフォーチュン・テリー、「あるだけでいいよ。じゃ、3万円で!」と慌ててお金を受け取り、せっかく来たキーマカリーも食べずに逃げるように去っていくのであった。
フォーチュン・テリーさん、代金払ってませんけど…きっと常連さんだからつけが利くのね(笑)

M10 過去・現在・未来 II
TIMES(平澤・新納・安崎)・希美

「幸せカムカム小僧」を手に、満足そうな希美。
TIMES(平澤さん、新納さん)が現れ、仕事はどうするの?希美の存在理由は何?今の仕事は社会のためにあるのではないのか?と歌う。仕事はやめるわ。家族を持つことよ。私は自分を必要としてくれる一人の人のためにありたい。と言って、去っていく希美。安崎さんもTIMESとなって現れ(忙しいですねぇ)、TIMES三人の歌とダンス。過去・現在・未来。
最後はハミングでコーラスをしながら、安崎さんがセンターの扉をあけると…そこにはキム。

キムは何かウキウキしているような、決意新たな様子で気合が入っている。
キムがテーブルにつくと、礼子がシャンパンを運んでくる。その礼子、なぜか上半身バニーガール(笑)
足を床にどんと踏み鳴らすとペーパークラフト風の照明器具が降りてきていい雰囲気に。意味ありげな微笑みで「Have a good time!」と言って去っていく礼子。
なんだか変だな?ま、いいかって感じでキムがテーブルのグラスの位置調整などしていると…扉から希美が登場。
ここ、登場するだけで笑いが起こるのですが、それもそのはず。希美ったらピンクのイブニングドレスに髪はエクステンション(じゃなくてウィッグか)でお姫様風カー ルのゴージャスなセミロングヘア。手には光物のついた白のハート型のパーティバッグ。 いわゆる「勝負ドレス」とでもいいましょうか(笑)
希美、気合入ってます!

しかも、最初バッグに隠れてわからないのですが、首からは例の「幸せカムカム小僧」が(笑)
「勝負ドレス」と「幸せカムカム小僧」とで、2回笑わせてくれます。

M11 セレブな未来
希美・礼子・俊介


ぎこちない足取りでテーブルに近づく希美。動じないキムさんはさすがはおぼっちゃま(笑)
「見違えましたよ!」と賞賛までするのである。
とにかく希美の助言のおかげで、会社の危機を乗り越えることができ、自分の意識も変わった。
変わった自分を見て、先代社長(つまりキムの父)の時代からの大株主も涙を流して喜んでくれたと、そのいきさつを熱く語るキム。
希美は緊張しているというか、舞い上がっているというか、とにかく変(笑)
キムもなんとなく変(笑)
ひとしきり爆笑なやりとりが繰り広げられるのですが、俊介と礼子は隅に登場しさりげなく二人の様子を観察。
そして、いよいよ。キムが「今日は大事な話があって来ました」と言い出す。
さあいよいよ!と身構える希美(と、俊介と礼子)。
キムが「希美さん。ぼ、僕、僕と…け、け、け、けっ…」
期待に胸躍らせる希美。
「け、け、けっこう暑いですね」
ガクッ。隅で俊介&礼子もガクッ。
さあ、気を取り直して。
「希美さん。僕・・・僕と・・・僕と、と、と……トイレに行って来ます」
再びガクッ!
トイレに去ってしまうキム。

しかし、これはやっぱりキムさんは私にプロポーズをするつもりなんだわ!と確信を抱いた希美は残っていたシャンパンを飲み干し、キムと結婚し「社長夫人」なった自分の姿を思い描いて有頂天。シンデレラよ!ロールスロイスに乗ってケリーバックを片手に韓流スターとのパーティに出席、そんなセレブな未来よ!と、俊介と礼子を従えて三人で歌い踊るのであった。

俊介と礼子が去って希美がひとりで妄想にひたっているところへ、キムが帰ってくるが、そんな希美の姿にうろたえるキム(笑) さあ、気を取り直して。「希美さん!僕の…」
カムカム小僧を握りしめ、「がんばって!」とキムを励ます希美。
キムはとうとう「僕の、パートナーに・・・パートナーになってください!!」と言うのであった。
希美は「プロポーズされたんだ・・・」と、感極まって泣き顔になりながら、カムカム小僧を握り締め高々と手をあげて「はい!!」
「ふつつかものですが、どうぞよろしくおねがいします」と言う希美の返事を聞いて、大喜びのキム。
「本当ですか!本当に受けてくださるんですね!」
幸せにひたる希美。
しかし、その次にキムが言った言葉は「じゃ、さっそく契約書にサインを。よかったぁ、専務の言うとおり今日契約書持ってきておいて」
「・・・・?契約書?」

希美のアドバイスのおかげでがらりと変わったキムを見て、会社幹部は希美に社長専属のメンタルトレーナーになっていただいて、会社経営にも参画してもらったらどうかという提案をしたという。そして専務に言われて、今日、キムは希美にその申し出をし、契約を交わしてくる、これはキムにとって「仕事」だったのだ。

M12 哀しきミス再婚
希美・TIMES(安崎・平澤・パク)


意気揚々とキムが去り、ひとり取り残される希美。
しゃぼん玉みたいに消えた夢…ミス再婚、哀しい名前。だけど私にお似合い。
扉からTIMES(安崎さん、平澤さん、パクさん)が現れ、希美の歌にコーラスをつける。
ここでパクさんがすぐにTIMESになって出てくるので思わずはっとしますね。「あんたのせいやん…」って(笑)
さて、希美が去って、TIMES3人のコーラスになります。平澤さん、ここですね。一世一代の勝負(笑)
俊介と礼子は、あれ?二人ともいないな。どうなったのかな?うまくいったのかな?と思いつつ、テーブルを片付けるのでした。

さて、別の日。
希美、俊介、礼子が、お店の休憩時間に食事をしている様子。結局希美はキム社長の申し出を承諾してしまったという。プロポーズされたんだと勘違いしていたことなど言えないし、お受けしますって言ってしまった後だったし・・・。

三人は結婚に必要なものはなんだろうという話になる。希美は自分と価値観が似ている人ならばうまくいくと思うのにと言うのだが、俊介は「かくれ家サラダ」にたとえて、お互い優れたものを持った同士、同じような価値観を持ったもの同士だとしても、必ずしもいいとは限らない。かえってお互いのいいところを消しあってしまうかもしれないんだ。むしろ必要なものは相性なんだとうんちくを語ります。(みのもんたの真似で(^^;)

扉が開いて入ってきたのはフォーチュン・テリー。新聞を忘れて取りに来たらしい。希美が気づいて幸せカムカム小僧を返すが、クーリングオフはやってないからお金は返せないよと言われます。希美は「お金なんかいらないわ。ただ幸せがほしかっただけなのに」とつぶやきます。フォーチュン・テリー、ここぞとばかりに「誰にだって幸せはくる!」と営業を始めるのだが「誰にでも?あなたにも幸せは訪れるの?」と希美に言われてなぜかギクっとするフォーチュン・テリー。それを振り切るように「トラブルが近いね!苦労と葛藤の影が見えるよ!」
希美が興味を示すと、「これもってく?」と懐から「トラブルよけよけ地蔵」を取り出します。
さすがに今回は希美が「今日は持ち合わせがありませんから!」と断ると、「あっそ。」とさっさと出て行くフォーチュン・テリーなのでした。

礼子は「案外超ダメダメ男なんかが希美には合うのかも」といいますが、希美は「そんなの誰にも紹介できない」と不満そう。まったく見栄っ張りなんだからねぇ。
二人が子供の頃、両親が離婚して父親が家を出たのだが、そのとき希美は近所の人に知られたくないから三人での外食は禁止にしたらしい。まったく見栄っ張りだと礼子は言うが、希美はそうじゃなくて、たった三人になったからこそ、食事くらいは家で家族で食卓を囲みたいという思いだったと言う。「家族ねぇ・・・」とため息にまじりに三人がつぶやいたとき。

M13a オレ、後藤(BGM)

センターの扉にスポットが当たり注目!!
扉が開いて登場したのは、サングラスをかけた男(平澤さん)。白シャツ、ノーネクタイ、黒のスーツに身をつつみ、うさんくさそうだけど、危険な雰囲気がかっこいいーっ。
希美はそれどころじゃなくて、男のことも目に入らないようだが、礼子がぽーっとなって、その男の気をひこうとする。
「このお店では全てのお客様を家族としておもてなしするのよ!おかえりなさい!マイファミリ〜っ!」
とつぜん人が変わったようになった礼子に驚いた俊介。「急にどうしたの!礼子ちゃん!」
男にまとわりつきつつ「このお客様は私がお相手するわ!」と宣言する礼子。
「お、お相手って・・・」と呆然とする俊介。
だけど、男は礼子のことは眼中になく、お目当ては希美らしい。
希美の近くの椅子にかっこよく片足を上げ、「ちょっとお邪魔していいかな。」
すかさず礼子がかけよりその隣のテーブル(椅子じゃなくてテーブルね)にばんと片足を上げる。(礼子、足ながっ!)
「この人、ちょっと取り込み中なの(だから私がお相手するわ!ってことね)」
「俺、後藤だけど。」
「俺、俊介だけど!」と礼子の隣(つまりテーブルね)にばん!と片足を上げる俊介。(足ながーっ(笑))
後藤が足をおろした椅子の上に礼子が乗って「私、礼子!礼子の礼は起立・礼の礼」といいつつ礼をしたらそこに後藤の顔。
どきまぎする礼子。
それにしても礼子、でかっ(笑)
この一連のやりとりは何回見ても、テンポがよくて思わず笑ってしまう面白い場面です。

「後藤慶太」とフルネームで自己紹介する後藤。ここで後藤さん、サングラスをはずしていたと思います。
そこでやっと気づく希美。「後藤・・・強盗慶太!」
「強盗ー!?」と驚いてびびる俊介と礼子。
「座ってもいいかな」とさっきから大活躍の椅子(笑)に座る後藤。
「そ、それでどんなご用件で・・・」とびびりながら(俊介なんか礼子の後ろに隠れてるし(笑))後藤に聞く俊介と礼子だけど、後藤は「あのさ。二人で話したいんだけど」
希美にも「悪いけど席はずしてくれる?」と言われ、「何かあったらすぐ呼んでくださいよーっ」「何かしちゃうのもダメよーっ」と口々に叫びながらあとずさりしていく二人。

そこへ後藤。「ああ、俊介くんだっけ?」
声をかけられてびびる俊介。「は、はい!」
「ミネラルウォーターある?」
おびえながら、ミネラルウォーターの1.5L(かな?)のペットボトルをテーブルの端から寝かせてすべらせて後藤に渡す俊介。(ちょっと笑えます)
後藤は受け取ったボトルを手に、希美の近くに歩いていき、希美の目の前でこれみよがしにボトルの水をごくごくラッパ飲みします。
ごくごくごくごくごくごくごく…全部飲んでしまうのかと思いましたよ(笑)
さすがにそれはなかったですけれども、かなり飲んでますね。

M13b 社会悪
後藤


立ち尽くす希美に、「座ったら?」と薦め、希美が座るとおもむろにキムソン電機の社長の話をはじめる後藤。センターの扉からサングラスに頬かむりの妙な変装をした俊介と礼子が覗き見をしています。でも後藤がそっちを見ると、びくっとして扉をあわてて閉めるんですけど、礼子がはさまれていたときがありました(笑)

後藤は、キムのように実力もないのにトップに座り大株主に守られてぼんぼん経営をしている二代目社長がどうも気にくわない。それは社会悪だと強い口調で語り、歌い踊ります。ひょいってテーブル飛び越えたりくるくる踊りつつ歌う平澤さん、かっこいい〜っっ!!
この俺様ならできる。会社をよみがえらせ社会のために役立てることが。
かっこいい"俺様ダンス"をノリノリで踊った後に、希美に「マイケルジャクソンのつもりですか?」と聞かれて、答える後藤。
「少年隊のヒガシ」…(笑)

それはともかくですね、その俺様がやろうとしていた事業の大切な最初の一歩に、ひとりの女が関わったために計画は台無しになった。その女に興味を持って後藤は希美に会いにきたのだった。
俺と組まないか?一緒にキムソン電機を乗っ取ろう。後藤は希美にそんな提案をするのであった。
テーブルに置いたボトルを希美に「それとってくれない?」と頼んで、手にとって渡そうとした希美の手首をガシっと掴んで引き寄せる後藤。
ひゃ〜。強引〜!だけどかっこいい〜。

動揺する希美。そして後藤は「それにあんた俺のタイプだし」といきなりソフトに迫るのである。「え?」とますます動揺する希美。
後藤は、個人的に希美のことを気に入っているという。この機会に深〜いおつきあいをしたい、と、耳元で囁かれ、希美はますます動揺。「そんなこと急に言われても…」
希美の肩を叩きつつ「三日後にまた来る」と後藤はいい、テーブルに置いたサングラスを「うぃ〜ん」とロボットアームなふりをして(笑)持ち上げてかけます。ミネラルウォーターのボトルを片手に「ああ、俊介くんにもよろしく」と言い残してかっこよく去っていくのでした。

去っていく後藤を見送り、一人になった希美が一言。
「かっこいい!!」
いやぁ〜希美さん、同感!(笑)同じタイミングくらいに心の中で同じ言葉を叫んでましたわ(笑)

M14 トラブル
希美

後藤とキムのどっちに協力するべきか迷う希美。またもフォーチュン・テリーに相 談。「トラブルよけよけ地蔵をください」と言ってみるが「もう売れちゃったわよ!」
自分がどうしたいのかわからない希美。後藤慶太の申し出を受ければめでたくミセスになれ、自分の夢がかなうかもしれない。でもキム社長を裏切って、幸せになれるのか。
トラブルの種が大きく育たないうちになんとかしなくてはと歌う。
それぞれの扉から、キム社長、後藤慶太、フォーチュンテリーが順番に顔を出し、希美を惑わせる。
希美が迷っているうちにすぐに閉じてしまう扉。「待って!!」

さあどうする!?
というわけで2幕に続く。


二幕へ


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