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シークレット・クラブ vol.2




内容の詳細とわたしの感想です。内容説明はあくまでも舞台を観たわたしの印象と記憶と解釈によるものです。実際の脚本や演出の意図とは異なるかもしれません。場面タイトルはわたしが勝手につけました。その点をご了承のうえお読みください。ご意見ご感想(苦情でも)がありましたらメールにてお願いします。間違ってることを書いてたらぜひぜひ教えてくださいね!

「シークレットクラブvol.2」、ほんとに楽しいステージでした。2002年からライブハウスを中心に上演されてきたステージですが、東京以外の場所ではそのまま劇場版として(ちょっとアレンジして)上演されたこともありました。今回は最初から劇場版として書きなおされたものです。15分間の休憩を挟む2部構成。ちゃんと計っていたわけじゃないので曖昧ですが、たぶん1部2部とも1時間くらいでしょうか?
登場人物の設定や構成は基本的にこれまでのと同じ。お芝居部分の台詞はほぼ全面改訂。

今回いなくなった人はサンデーホリデーさん。かわりに「モカ・フラペチーノ」というまた可愛い女の子の歌手が登場します。確認するの忘れたのだけど、この彼女はサンデーとは別人ですよね?(わたしはそう解釈したが?)
そのモカ・フラペチーノとヤベーカー、チャンタ小泉、お豹さんと歌手、ジャックと豆の木の場面等のお芝居部分、前回公演を観た人はより面白く、初めて観る人ももちろん楽しめる内容になっていたと思います。(前回までのことはSTAGEから各公演のページを読んでくださいね)
今回、オープニングはジャックと豆の木(今回、「豆の木」ではなく「ビーンズ」になっていました。「豆の木」とも言ってたけど)の楽屋でのふたりのお芝居からとなっていました。

チャンタ小泉さんの活躍が増えていました。お芝居でヤベーカーさんと絡む場面がありました。チャンタさんトロンボーンのレパートリーを増やしたようで、2部の最初は有田さんたちも一緒に派手なラテン風衣裳を着てのチャンタ&ヤベーカー&クリス(ホルン)の演奏も。
曲は同じのもありましたが、新曲も多かった。2部のクリス→平沢さん(ここは腹話術人形の人ではなくてヤベーカーさんに変わっていた)の歌は月をテーマにした歌となっていました。
ヤベーカーさんもレパートリーを増やし、2部ではいつもの「リハビリ中〜」の歌でしたが、1部では新曲でした。この歌もまた素敵なんですよ(^^)

サンデーがモカに変わった以外は新キャラはいなかったです。平沢さんにうかがったのですが、新キャラの案はあったのだけど、そのためにやめるなじみのキャラクターが決められなくて(笑)、新たに追加すると長くなりすぎるためやむを得ず断念というところだったようです。
平沢マネージャーは姿は登場せず、声だけの出演となっていました。

では、順を追って説明していきましょう。
先に2002年の初演のステージのことを読みたいなーと思った人はこちらへ。
前回の、2003年2月のブルースアレイのステージのことを知りたいなーと思った人はこちらへ。

オープニング - ジャック&ビーンズ

暗転から明るくなると、楽屋。化粧前にいるジャック(平沢さん)とビーンズ(豆の木・高泉さん)。いつものお揃いの衣裳(黒スーツ、白シャツ、白ベスト、蝶ネクタイ、黒のボウラーハット)。ジャックは鏡に向かいメイクのチェックをしています。そのそばでビーンズは靴を持ってきて、履いてはステップを踏んでみて大きいとか小さいとかひとりで騒いでいます。
おなじみの「ジャックと豆の木」のコンビ。どういうコンビなのか?歌って踊れるお笑いコンビ…のつもりはないだろうな(笑)。なぜ「ジャックと豆の木」という名前なのか知りたい方は2002年の公演レポ「ジャックと豆の木」の項を参照ください。

そんなビーンズのひとりごとに突然反応するジャック。「そうかもしれない。だけど…そんな考えにとりつかれていてはいけないと…云々」…ここの台詞回しがえらく大芝居だなぁって思ったら、それは理由がありました。今回、劇場でやることになったから今までと違って大きく芝居をしなければならないってことで芝居用の台詞の練習(?)をしているようです。(「ゴトーを待ちながら」というお芝居の一節のようですが。)話の間、ジャックは帽子をくるくるっと回して両手の間を下から上へと渡しています。(うまく表現できてませんが、平沢さんはこういう小道具使いがうまい。器用ですよねぇ。)
と、いきなりジャックがビーンズに「立て」といい、ビーンズがどうして?みたいな顔をしつつ立ちあがると、ジャック「まず抱擁しよう」。小さなビーンズをガシっと抱きしめるジャック。そのまましばらく芝居の台詞の続きを言いつづけるのでした。いいな〜…ビーンズ(笑)
その後、なぜか「そうかもしれない!」の台詞をロイヤル・シェイクスピア・カンパニーまたは田中邦衛さん(笑)のものまねで交互に言い続ける二人。そのまま照明が落ちていき暗転です。

さて、暗い中、平沢マネージャーのショーの始まりを告げるアナウンスがあり、クリスさんの英語でのアナウンスもあり、いよいよショーの始まり。
平沢マネージャーは今回声だけの出演になってしまいましたね。明るくなると、ステージ中央には、コンパクトな(笑)赤いカーテンというか幕ですね。幕を開いて茶のボウラーハットをかぶって華やかなブルーの上着を着た司会者(平沢さん)が登場。さていよいよショーの始まりです。

ピアニスト

司会者のいつもの口上(いっちゃう…ってやつ)のあと、演奏が始まります。ここは基本的に今までと同じです。

バンド3人で演奏を始めるのですが、とつぜんピアノの演奏が乱れ、ピアニストが苦しみだし倒れてしまいます。このピアニストは高泉さん。ハシヅメさんっていう名前らしいです。駆け寄って介抱をする司会者の腕の中でピアニストが訴えることは、「誰かが携帯電話の電源を切らなかったために心臓ペースメーカーの調子がおかしくなった」とのこと。
もう今日は演奏できそうにないピアニスト、なんとかしなくては…と司会者は客席に向かって「どなたかピアノの弾ける方はいらっしゃいませんか?」とまるで病人の出た飛行機内のようなことをおっしゃる。
そこで、客席で手をあげたのはキタジマさんとおっしゃる方。
司会者はキタジマさんをステージに連れていき、とりあえずどんな腕なのかちょっと演奏をしてもらいますが、弾いた曲はバイエルレベル…。「これではハシヅメさんがうかばれません」と司会者、「もう少し上手にピアノが弾ける方いらっしゃいませんか」と客席にたずねますが、そのとき急にジャズな演奏を流麗なタッチで弾き始めるキタジマさん。
おお!というわけで今日の演奏はキタジマさんにお願いすることになりました。司会者はハシヅメさんを袖に追いやり、タキシード(単なる黒の上着だったかな?黄色い花が襟元についていました)をとってきて、キタジマさんの地味なこげ茶の上着を脱がせてタキシードを着せます。
…言うまでもないですが、このキタジマさんは、このステージの音楽監督でありピアニストでもある北島直樹さんです(^^)
ここで誰かピアノの弾けるお客さんが本当に手をあげたらどうするんだろうな?そういえば、ブルースアレイのときに一度、北島さんの前に、遊機械の陰山さんがステージに連れていかれてちょっとピアノ弾いたときありましたよね。
19日の千秋楽は、客席からステージに向かうキタジマさんの様子がおかしい?司会者が尋ねたところキタジマさん、なんと腰を痛めてらっしゃるとのこと。「大丈夫ですか?」と問う司会者に「大丈夫です…」と答えながらも歩く姿が痛々しい…。そういえば客席で座ってらした席、いつもはアリーナ席の前方(二列目の端でしたっけ)なのに、この日はステージすぐ横の上段の席でした。
しかし!歩く姿は辛そうでもひとたびピアノに向かえば…演奏はばっちり。さすがです。

ヤベーカーとモカ・フラペチーノ

演奏が終わると、楽屋でのお芝居になります。楽屋のセットは舞台の上手端に化粧前とパイプハンガーがひとつづつ。パイプハンガーにはいつものようにいろんな衣裳がかけられています。

鏡の前に現れるのはおなじみの、えんじのシャツにこげ茶のスーツを着た粋な男性、チョット・ヤベーカー(平沢さん)、コルネット吹きです。ヤベーカーさんはいつものようにコルネットの練習をしています。(ここの衣裳ですが、前回まではダブルのスーツだったんです。今回、着替えが大変だからシングルにしたのかしら。今回も二部はダブルのスーツでした。)
そこへ入ってくるエプロン姿の女の子(高泉さん)。

彼女はスターバックス表参道店に勤めていて、毎日ここの楽屋に飲みものを運んできています。今日もいつものように運んできましたが、なぜか頼んでいないシナモンロール、シュガードーナツをヤベーカーさんにサービスすると言う。ヤベーカーさん、慌てて「ダメダメ!」と言って彼女に「俺のことを好きになってもダメだよ。応えられないから。君が傷つくだけだよ」などと言い始めます。「なーに言ってんのよ!」と一蹴する彼女。だいたい、貧乏だし、ペットは下手だし、甘いもの好きだし。そんなあなたを好きになるわけないでしょと。じゃあどうしてシナモンロールをサービスするのかって言うと、彼女は人前で歌ったことはないけど歌手志望で、このクラブのステージに出たい。ヤベーカーさんごときが出られるんだから、自分だって。。。それで、クラブのみんなに彼女が出演できるようにとりなしてくれないかって前からヤベーカーさんに頼んでいるのでした。なのに彼は「どうせだめだよ」って適当にしかとりあってくれない。あげくのはてに、「自分で頼め。そして断られてこの世界の厳しさを知って、俺を見なおせ」などと言う。「憎たらしい〜!もういいわよ」と持ってきたシナモンロールやシュガードーナツをさっさとしまい、帰ろうとします。ところがどうやら出口の方向を間違っていたらしく、「そっちは出口じゃないぞ」と追いかけていくヤベーカー。

間違って着いた先はステージの上。スポットを浴びてしまう彼女。ヤベーカーさんに「やるしかないだろ」と励まされ、でも急に言われても歌えない!としりごみする彼女ですが、そういえば野球の歌なら、こないだツアーでシアトルへ行って野球場でさんざん歌ったからあれなら歌えるかも。じゃ、それでいこうってことになりました。そうやって彼女が歌えるようにしてあげて、なんだかんだ言ってヤベーカーさんは優しいのです。が、「歌ってみて、この世界の厳しさを知って俺を見なおせ。」とまた憎まれ口を叩くのでした。さて、ヤベーカーさんは彼女を紹介します。「このクラブのスターバックス…じゃなくってスター」名前は…と、彼女に「店の人気メニューは?」と聞きます。聞かれるままに「モカ・フラペチーノ」と答える彼女。ヤベーカーさん、客席に「モカ・フラペチーノです!」。

モカは歌います。エプロン姿で(笑)。ここの曲は"TAKE ME OUT TO THE BALL GAME"(で、あってます?)「わたしを野球に連れてって」ですね。

ヤベーカーさんはコルネットを吹いたり、間奏のときに彼女と一緒に踊ったり、途中で野球帽を出してきてギターの有田さんとふたりかぶったり、彼女の歌を盛り上げます。楽しいのよ〜(^^)
歌い終わり拍手の中、両手を高くあげ上を向いたポーズのままピンスポを浴びてうっとりする彼女。

ピンスポまで浴びちゃって私、興奮しているの…という彼女にヤベーカーさんは「じゃ、その興奮を俺と一緒にもっと味わおう!」と誘います。「俺と組まないか?」

嫌がる彼女(笑)あなたの下手なペットとじゃ、わたしにとってはいいことないわって。「でも他のミュージシャンのみなさんと一緒に演奏できるのなら考えてもいいわ」と。考えといてくれよ!と懇願するヤベーカーさん。
さてさて、次はヤベーカーさんの出番。帰ろうとする彼女に「俺の紹介してくれよ」と頼む彼。
マイクの前に立って彼女はまず自己紹介から(笑)
名前は「青山みち」。ひょっとして「みち」は「通」?(笑)。
毎日楽屋にコーヒーを運んできているのだけど、彼のペットは本当に出たとこ勝負。今日は音が出たら「チョット・マイルス」(?)、出なかったらチェット・ベーカーならぬ「チョット・ヤベーカー」。さあ今日はどっちか〜!?(これってめざましテレビのお天気お姉さんみたい(笑)傘はどっちか?)
モカはヤベーカーさんへのし返しに(?)「ペット吹いて、この世界の厳しさを知って、私を見なおせ」と言って去っていきます。いいコンビだね、このふたり(笑)

拍手を受けてヤベーカーさん。ひとこと「今日はきっと、マイルス」(?)。
ここのヤベーカーさんの歌と演奏は新曲です。星降る夜に彼女とデート…というロマンティックな歌でした。平沢さんのちょっとハスキーで甘い歌声が堪能できます。ああ、この歌も好きだわ(^^)。ヤベーカーさん素敵…。原曲のタイトルご存知の方、教えてください。
ヤベーカーさんのペット演奏、日によって調子の波はあるものの、うまくなりましたよねぇ(本人比(^^;)。わたしが観に行ったなかでは土曜日の夜が最高だったかも。

チャンタ小泉 - 十把ひとからげの新解釈

ヤベーカーさんとミュージシャンのみなさんの演奏の途中、そっとステージの隅に現れる小柄なおじさんの姿あり。帽子にめがね、ちょび髭、大きな柄のチェックの上着に蝶ネクタイのちょっと妙な雰囲気のおじさんです。

おじさんはトロンボーン奏者らしい。
名前はチャンタ小泉。(「シークレットクラブ」を初演から観ている方はご存知と思いますが、この方の職業は回ごとに変化していきます。たしか最初はダフ屋とひよこの鑑定士、それからドラマーでボーヤで、トロンボーンもやるようになって、今回は立派な(?)トロンボーン奏者です。言うまでもないですがこのチャンタ小泉さんは高泉さんです。)
さて、 出番を終えステージから帰ってきて「なんか違うな?」と自問自答するヤベーカーさんをチャンタさんは出迎え、「ちょっと、チョットさん」と声をかけます。なりゆきでしょうがなく話につきあうヤベーカーさんですが、いい加減に切り上げて去ろうとするのになかなか離してくれません。チャンタさんが語るには、トロンボーンは始めて半年くらいだが、この業界は長い。
チャンタさんはヤベーカーさんに「組んでやりましょう」と誘いますが、ヤベーカーさんは組みたくなさそう。チャンタさんはヤベーカーさんを説得します。「この世界、あきられたらおしまい。十羽ひとからげって言ってね、小さな手羽でも十羽まとめてからあげにするとうまい!」(違うと思うけど(^^;)と、真面目なのかふざけてるのかわからない調子で執拗にヤベーカーさんを誘います。
ヤベーカーさんは早く帰りたそうだけど、けっこうチャンタさんのペーズにまきこまれて、ちょっとだけ合わせて吹いてみたりして。チャンタさん、「そのペットじゃ仕事来ないよ!」と殺し文句(?)をヤベーカーさんに告げて、出番がきたらしく自分はステージへ。ヤベーカーさんは複雑な表情で去っていきます。

さてステージではチャンタさんの歌とトロンボーン演奏。"サンタが街にやってくる"ならぬ「チャンタ小泉Coming to town!」でした。決め台詞?は「次はあなたの町におじゃまします。」

お豹さんと歌手

さて、楽屋です。
いつものように一人の男性(平沢さん)が入ってきます。白いワイシャツにダークな色のスーツ姿、黒ブチのメガネ、そんなに若くはなく地味でちょっとくたびれたサラリーマンか公務員って感じ。コンビニでこれまたいつものように缶コーヒーを買ってきたようです。
ビニールから缶コーヒーを取りだし、振る。いつまで振るんかい!ってくらい思いっきり振ってからおもむろに缶を開け飲みますが、片手を腰にあてた仁王立ちポーズでごくごくごくごくと一気飲み。そしていつものように、おもむろに缶についているシール(何かの懸賞かな)をはがして鏡に貼り付けます。このシール、数回観ている人ならわかると思いますが、ひとつづつ増えていっております。千秋楽には7枚になっていたかな。
そしておもむろにめがねをはずし、上着を脱ぎ、ラジカセのスイッチを入れ、音楽が流れるととつぜん激しく踊り始めます。いきなり背中から床に転がって激しくブレイクダンス風の動きをしたり、くにゃくにゃと身体を柔らかく、ぴよーんぴよーんとジャンプしたり、そうかと思うと手足をシャープに動かして妙な振りをしたり…なんだかすごいです。客席は彼の動きに目を奪われどよめきます。またそれを無表情に淡々とやるもんだから、なんかおかしいのです。わたしが思うにこれは彼のウオーミングアップなんですね、きっと。

そうこうしているうちに女性(高泉さん)が入ってきます。OL風の女性で、そんなに若くなくやはりちょっと疲れた感じ。彼の妙な動きに目を奪われ立ち尽くす彼女。彼ははっと気付き、動きをやめ音楽も止めます。「今日は遅かったですね…残業ですか?」「いいえ…たそがれてたの…」というような挨拶をふたりは交わし、ぼそぼそと会話をしつつ、着替えはじめます。男性はどうやら役所勤めらしいのですが、銀行に行って彼女の定期預金を解約してスーパー普通預金に変えてくれたらしい。ズボンのポケットから通帳を取りだし、曲がっているのを直しつつ彼女に渡します。そしてビニール袋から出した箱を「これ、記念品」と(銀行でもらってきた「プーさんのグラス」らしい)を渡そうとするが、彼女に「あげる」って言われ、黙ってかすかににやっと笑う彼。うれしいのね…(^^;

そして、預金の金利の話や、なんだっけ忘れたけど、財テクの話などをぼそぼそしながらふたりは着替えます。

男性がワイシャツを脱ぐと白のランニングシャツ。まあこれは普通ですね。しかし…
ズボンを脱ぐ。。。と、そこにあらわれたのは豹柄の…膝上くらいまである長めの下着(あからさまに言うとパンツです(^^;)。靴下は豹柄ハイソックス。おおおっと湧く客席。男性は淡々と豹柄のプルオーバー(襟元ファスナー付きのハイネック)、豹柄ズボンを身に着け、ウエストにベルト(もちろん豹柄)をし、靴を履き替え…靴まで豹柄なんですよ(^^;そして帽子(やはり豹柄)をかぶる。

女性が着替えながら「ねえ、おヒョウさん…」と話かける。そう。彼の名前は「お豹さん」。女性は歌手で、彼の振付でふたりで場面を作っている。彼女は職場の上司に言い寄られてて(というか…不倫関係なのか?)、相手は「川崎部長」。でも彼女は本当は「オゾネさん」という人が好きで、どうやらそれはうまくいかなかったらしい。いきなり泣き崩れる彼女に、お豹さんは淡々と「遠くを見ることです。」と諭します。お豹さんの理論によると、近くのものは目の前をふさいで真っ暗にしてしまう、だから遠くを見る。目と目の間のもうひとつの目を意識して、遠くにむかって手を伸ばし…と言いつつ、彼女の手をとって前にさし伸べます。自然と片足もあがって斜めになる彼女。ふとバランスを崩し、伸ばした手の先にあってつかんでしまったものは、お豹さんの鼻。「あ。ごめんなさい」という彼女を意に介する様子もなくお豹さん、鼻をつままれたまま、しゃべります。さりげなく、おかしいです。

さてそんな会話をするうちに、彼らの出番です。

「お豹さん、今日の踊りのテーマは?」と問われて、お豹さんは答えます。「崖っぷち」

ステージにて、女性はハンドマイクで歌います。彼女は濃い紫のドレスに黒のひじの上まである長い手袋、頭にはふじ色のスカーフ。スローなラテン系の曲です。曲はこれまでと違っていました。ソシアルダンスで言うところのラテンのルンバのダンス曲でよく知ってる曲なんだけど、曲名はなんだっけ。
照明入るとお豹さんはステージセンターの椅子の上にいて、右足を椅子の座面にあげ、左足は斜めにまっすぐ床に伸ばし、両手は椅子の背に置き、顔を伏せてポーズをしています。そのポーズ美しい…
ここのお豹さんのダンスですが、やはり劇場版。ライブハウスとは比較にならない広い舞台。大きくしなやかに、妖しくそしてダイナミックです。ひとりで床で踊る姿はもちろんですが、女性との絡みも本当にしなやか。平沢さんはもちろんすごいけど、高泉さんもホントにすごいと思います。椅子に座ったお豹さんの肩に両足をあずけ、さかさまに斜めになって上半身を持ち上げる腹筋運動するところもありましたよね。

女性が歌っている間、お豹さんは彼女の回りでくるくる動き、踊りながら、彼女に絡みます。うまく表現できませんが…。妙に可愛かったり、ニヒルな笑みで妖しかったり。そして間奏になると、彼女の手からマイクをとりたぶんピアノの上にそっと置いて、ふたりで組んで踊ります。
たとえばですね。椅子に音もなくふわりと乗ってしなやかに動きながら、彼女の手をとりくるくると踊らせたり、彼女を軽々と肩の上に載せ、右手で彼女をささえ空いた左手でひょいひょいと椅子を持ち上げたり、彼女をお姫様だっこしたかと思うと、両足を持ってさかさにし、そのままぐるぐるぐる回転。これはすごいです。高泉さんは両手でがしっと平沢さんの足を抱きついていました(そりゃそうだよね(^^;)。自然と拍手が起こりましたね。ここは。そしていったん床に下ろした彼女にマイクを渡し、また背中にかかえあげ、お豹さんの背中に乗ってうつぶせに持ち上げられたまま、歌いはじめる彼女。最後のほうで、椅子に座った彼女のそばで踊りながらお豹さんが「はい!」って言うと、彼女がさっと頭を伏せ、その上をお豹さんの右足が空気を切裂いてびゅんと回るってな振りもありましたね。椅子に座っている彼女の後ろの部分に両手をついてひらりと側転なんてのもやっていました。もう彼女はお豹さんになされるがまま(笑)

どうも視覚に意識を奪われるため歌詞はいまいち覚えられないのですが、歌詞と振りがあっててなかなか面白いです。そして最後のほうの歌詞をよく聞くと、「わたしを引きずりまわす」とか「踊って酔わせる罪なダンサー」とか「踊りつづけて。やめないで」など納得の歌詞(笑)
そして最後は椅子の上に乗り両手片足をあげたアラベスクのポーズを決めるお豹さんに対し、「罪なパンサー…」と歌いつつ、その前で女性も同じポーズをとる…というオチがついていました。(ああ、文章で表現するのって難しい。)この不安定なポーズ、これこそこのダンスのテーマ、「崖っぷち」に立つってことなのでしょうか…バランスを崩したらまっさかさま!?

暗転のあと明るくなると、ふたりはにこやかに挨拶をして去ります。お豹さんはさくさくと椅子を片付けきびきびと去っていかれました。

やっぱりお豹さん、素敵ですよね〜っ。あんな変な格好しているのに(笑)妙に似合っていてホントにかっこいい。(そう思うのはひょっとして目がくらんでるからだったりして…ファンだからわかんないわ〜(^^;)
それにしても平沢さんってあんなに激しく動いていてもほとんど音がしないようなイメージなのです。すごいことをあんまり普通そうにやるので、なにげなく観ている人にはどんなにすごいことをやっているのかわからないんじゃなかろうか(笑)などと思ったりして。
この場面は、前回までは彼女の歌がメインでお豹さんのダンスはサブな印象だったんだけど、今回はお豹さんのダンスをメインにしたんだなって思いました。

続いてミュージシャンのみなさんのバンド演奏。

ヤベーカーとモカ・フラペチーノ再び

演奏の途中でヤベーカーさんがコルネットを持ってステージに現れ、最後に少し演奏に参加します。終わって、楽屋へ帰ってくるヤベーカー。どうも不本意な演奏しかできず、悩んでいる様子。
鏡の前にいるのは白いドレスを着てメイクをしているモカ・フラペチーノ。どうやら、晴れてクラブのステージに出演している様子。モカは家から持ってきたドレスをヤベーカーに見せてどれがいい?って聞くのですが、ヤベーカーさんが「こっち」って選ぶと、モカちゃん「ええ?こうよ?あなたセンスないわね!やっぱり今のでいいわ」とくる。ヤベーカーさん「だったら俺に聞くなよ〜っ」

気を取り直してヤベーカーさんが「それより、俺と組む話考えてくれた?」と、さっきチャンタ小泉さんに教えられた「十羽ひとからげ」*の話などを持ち出し、「ねえモカちゃん!」てなこと言って迫りますが、相変わらずつれない答え。「あなたのペットは私の歌を濁らせるの!」などと言われてしまいます。ここのヤベーカーさんはかなり変(笑)でくねくねしていて、モカに「あなた、何かにとり憑かれてるわよ!」などとも言われていました。(ひょっとして「チャンタ小泉」にとり憑かれているのでは(^^;)

*いちおう念のため解説…正しくは「十把一絡(じっぱひとからげ)」、意味は「どれもこれもきわめて価値のないものとして多数をひとまとめに扱うこと」(広辞苑より)

出番の来たモカに「ついてこないで!」って言われますが、ヤベーカーさんはこっそりついていって、飛び入り参加してしまいます。ここは、有田さんとクリスが立って出て来てモカと3人ステージ前面で演奏します。北島さんはこのとき、普段はドラムのところにいるのですけれど、千秋楽はピアノの前に座ったままでした。普段は途中でこっそり出てきたヤベーカーさんがピアノをちょっとだけ弾く(?)のですけれど、千秋楽のとき違っていたのであれ?って思ってその違いに気付いたのですが、この日、北島さんは腰を痛めていたんですよね。だから動かなかったのかなと推測しております。

ピアノの陰からそーっとステージの様子をうかがうヤベーカーさんもとってもキュートです。ヤベーカーさんはコルネットよりダンスが得意そう。ここも軽快なステップで演奏を盛り上げます。楽しいのよ〜(^^)。 ところで、ここの曲、なんでしたっけ?新曲だったか、前回までも歌っていた、途中でちょっと可愛い手振りのはいる(ヤベーカーさんとふたりで踊る)あの曲だったっけ。"What a Little Moonlight Can Do"であってます? 覚えていたつもりだったのに記憶が混濁してしまいました。ご存知の方、教えてね。

終わったあと、「俺がいると盛りあがるだろ?」とヤベーカーさんに言われて、モカは「盛りあがってるのはあなたでしょ!」と憎まれ口を叩くのですが、でもモカもまんざらじゃなさそうです(^^)

さて、バンドのみなさんの演奏です。ヤベーカーさんが"Sweet Gorgia Brown"と曲名を紹介して去っていきました。

似たものコンビ?


バンドのみなさんの演奏が終わる頃、下手の端の椅子のところに同じ衣裳のふたりが現れます。ひとりの手には妙な大きなかぶりものが。ふたりともおとなしく椅子に座ってそのかぶりものを膝の上に載せていますが、演奏が終わると、かぶりものは横に置いておいて、ふたりは困った様子で話し始めます。
ふたりとも派手な上着を着た腹話術の芸の人形役。
どうやらお互いに相手が人形使いの役だと思って、今日の仕事に出向いてきたのですが、それが何の手違いかふたりとも人形役。これでは芸が成り立ちません。でもなんとかしなくてはと、とにかくやってみようと、かわりばんこに相手の膝の上に乗ってなんとか芸をしようとします。でも最初はふたりとも人形になって黙って座ってるだけ。芸にならんって(笑)
ふたりはいろいろと試行錯誤します。
ここでやはり平沢さんの「ビッグリアクションで転げ落ちる」芸が披露されます。やっぱり何回観てもすごいです(笑)
ふたりの体格が大きく違うものだから、やはり小柄な高泉さんのほうが人形役をやるしかないなって結論になるのですが、いつもやってるその「ビッグリアクション」をじゃあやってみてと、手本を見せてから高泉さんにやらせるのですが…やっぱり下手です。高泉さんは倒れたまま起きあがらず、あお向けに寝転んだまま。
平沢さんは「下手だな…」とつぶやいて出ていってしまいます。
高泉さんはそのままあお向けに倒れています。
続いてバンド演奏。

ジャック&ビーンズ - ジャック的身体?

演奏の間に登場するのはジャック(平沢さん)です。ずっとあお向けに倒れている人形役の高泉さんを怪訝な顔で眺めつつ通りすぎます。すぐに行ってしまうんですけど、ポケットに手をいれて歩く姿がなんだかかっこいい…(わたし、目くらんでます?)。ジャックはどうやらビーンズ(高泉さん)を探している様子。ジャックが去っていくと、人形役さんは目をさまし、慌てて去っていきます。しばらくの後、ビーンズ登場。さっきから椅子の上に置いてある妙なかぶりものを帽子の上からかぶり、座っています。そこへジャック。やはりビーンズを探しています。変なかぶりものをかぶった人に気付くジャック。隣に座り、そのかぶりものの人に向かって「もし豆粒みたいに小さな男を見かけたら、もう帰ってこなくていいって伝えてください」と言い、さっさと去っていこうとします。かぶりものの人は慌てて「ジャック!」と叫びかぶりものをとります。当然ジャックはわかっていて、わざと言ったわけですが。

相変わらずふたりの会話は面白い。今回のヒットは「ジャック的身体」(笑)

ジャックはJAC(「ジャパンアクションクラブ」の略ね)出身で、CoolなfaceにHotなステップ!な、芸に厳しいダンサーなのですが、ビーンズときたらSweetなFaceでファンキーステップな全然違うタイプなのでした。またお調子ものなんだな〜。ビーンズはいつもジャックに怒られていて、今日も、ちゃんとステップを覚えないうちにふらふらどこかへ行ってしまったビーンズを、ジャックは探していたわけです。

「どうしてステップを覚えないんだ!?」って怒るジャックにビーンズは半泣きになりながら「覚えられないんだよ〜っ!!!」
なぜかっていうと、ジャックはジャックだから!ジャックはジャックだからジャック的身体をしてるけど、僕は普通に生まれて普通に育った普通の身体なんだから〜ってことなんですが、「なんだよ?そのジャック的身体ってのは」とジャックに問われて答えるビーンズ。
「JAC出身者は…」
・風邪をひかない。
・やたら筋肉を鍛えたがる。
・昔バック転ができたことを誇りに思っている。(「今もできるよ!」とジャック)
・千葉真一のことが忘れられない。

「おまえ、俺のことをバカにしてるな?」と静かに怒るジャック(こわ〜い)
(ちなみに…このステージとは関係ないところで知ったことですが、筋肉隆々で体脂肪率があまりに低いと風邪ひきやすいんだそうですよ)
ビーンズは「そんなことないよ!僕はいつもジャックのことを自慢しているんだ!」と必死で言いつつ、ジャックジャックジャックと言い続けるもんだから、「ジャックジャックと大きな声で言うな!」とまた怒られてしまいます。そしたら今度はささやき声で「ジャックジャックジャック…」「小さな声でも言うな!」
もうこのへんの会話、面白すぎる…(笑)何回聞いてもおかしい。

そんな会話をしているうちにもうビーンズはへろへろになっちゃって、例によってステップをすっかり忘れてしまったらしい。そうこうしているうちに出番が近づいてくると、ジャックは「いいか。今度ステップを間違ったら本当にコンビ解消だからな!」と厳しく宣言し、行こうとしますが、ビーンズは例によってジャックに抱きついてすがるのでした。
やっぱりふたりのノリと間がおかしくて、何回観ても笑ってしまいます。
そしてどういうなりゆきか忘れてしまいましたが、突然ビーンズが看板の話(叔父さんが看板屋をしているそうで、いつか「ジャックと豆の木」って書いた看板を作ってくれるらしい)を始めるのですが、さっさとジャックは去っていってしまい、ビーンズが「ねえジャック、この話面白い?」と振り返っても誰もいない。慌ててビーンズもステージに向かいます。

さて、ふたりのステージ。ここのジャック&ビーンズの曲は新曲だったと思います(単に覚えてないだけだったりして(^^;)。曲名はわからないです(誰か教えて〜)。以前は途中で靴を履き替えてタップをやっていましたが、今回は最初からタップシューズで、そのぶん、タップが増えたということですね。
ジャックとビーンズが上手下手それぞれから登場し、歌って踊ってタップして、やっぱり最後はビーンズがジャックの左腕に両足かけて逆さまにぶらさがるポーズで終わります。
ビーンズ、やっぱりへとへと(笑)。

先にジャックが退場し、ビーンズが元気にお客さんに挨拶をしつつ、はけていきます。

ここで、ふたりが並んで両手を前に下ろし、手のひら・手の甲をくるくる裏表にする振りがあったのですが、ジャックとビーンズの手の大きさの違いがすごくて(体格が違うので当たり前ですが)、平沢さん手が大きいわねーと改めて思ってしまいました。それから、ちょっとファンばかなことを言わせてもらうと、踊るときの平沢さんの手の表情が豊かでとっても素敵だと思いません?コルネット吹くときもそうなんだけど、大きくて綺麗な手だな〜ってしみじみ思います…。あと、さりげない決めポーズがもうむちゃむちゃかっこよくて!たとえば横を向いて、帽子のふちに手をやり、目は伏目がちで片足をちょっと曲げてぴたっと決めるポーズだとか。いろいろあるんですけど文章で表現できません(^^;
ところで、ここの場面の歌詞だったかなと思うんですが、「俺達売れない星屑、だけど夢は(明日は)ビッグスター…」っていう意味のところ、ホントにきらきら星屑をふりまいているようで本当に輝いていたなぁ〜。(これもファンばかですかね〜?)まあとにかく楽しくて、ひょっとして2部の場面と混乱しているかもしれませんが、まあいいっか(笑)でももし違ってたら教えてくださいね。ぜひお願いします。「CoolなfaceにHotなステップ!Sweet Faceでファンキーステップ」っていうのも歌詞にあって、ぴったりだなぁって思っていたのですが、この場面だったか後の場面だったかは不明(笑)

このあとはバンド演奏です。

似たものコンビ?再び

演奏の途中、例の腹話術人形の扮装のふたりがしっかり手をつないで、しずかに現れます。ステージを端から端まで歩いたり、うろうろと妙なふたり。
さてとつぜん出番が来てふたりはそのままステージに出演。ここの曲は新曲だったと思います。曲名は…誰か教えて。クリスさんはホルンを吹き、有田さんはここはバンジョーを演奏します。
人形役のふたりは歌って踊って芸をして(?)最後は例のビッグリアクションを平沢さんが何回も何回も繰り返し(これ、回数決まってないんですって)、やっぱりふたりとも人形のまま、黙って固まってしまいます。
そんなふたりの後ろでいつものようにミュージシャンの方々はさっさと片付け、休憩に行ってしまいます。取り残されるふたり(^^;。ふたりは黙って立ちあがって、お辞儀をしつつステージからはけていきました。
…という状況で1部は終わりです。15分の休憩。

2部へ


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