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クラウディア




●内容の詳細とわたしの感想です。内容説明はあくまでも舞台を観たわたしの印象と記憶と解釈によるものです。実際の脚本や演出の意図とは異なるかもしれません。その点をご了承のうえお読みください。ご意見ご感想(苦情でも)がありましたらメールにてお願いします。間違ってることを書いてたらぜひぜひ教えてくださいね!
●参考資料:パンフレット、終演後の劇場ロビーに掲示された曲名リスト、サザンオールスターズ/桑田圭祐CD
●場面名はわたしが勝手につけました。

場面ごとの説明とわたしの感想をこれから展開します。公演中にネタばれOK感想掲示板に書いたものをもとにし、追記修正を行ったものです。最初から最後まで展開を説明しています。言うまでもなく、思いっきりネタばれです。今日で全日程が終わる舞台ではありますが、8月にWOWOWで放送が予定されています。舞台を未見の方で内容を知りたくない方はこのあとを読まないでくださいね。《2004.7.11》

一幕

1. オープニング/FRIENDS


幕があがると暗く一見誰もいない舞台。舞台いっぱいに障子風の大きな衝立。下手端、ブルーのライトに立つクラウディア(本田さん)。センターに歩き静かにメロディをくちづさむ。

2. 戦い・祭り/女呼んでブギ

オープニングの場面の終わり、クラウディアの背後の障子には踊っている人たちの影が映し出され、「ええじゃないか〜」の声がだんだんと大きくなり、そして障子をやぶって群集が登場、祭りの場面へとつながります。その障子に映る踊る人の影、こういうところ「天翔ける風に」を連想させるところでした。
和太鼓が打ち鳴らされ激しいダンス。クラウディアは群集に消える。センターから現れる「根国」の王、ヤン(平沢さん)(ここドキドキするのよ〜!)。ヤンを中心に踊りまくる群集。「天翔ける風に」みたい(かっこいいのよ〜!)。いきなり血が沸き踊るって感じのハードなダンス場面です。みなさん活き活きと歌い踊ってらっしゃいます。後ろで和太鼓を叩いている人は斉藤直樹さんと原田治さん。原田さんが休演されていた大阪公演では今泉由香さんでした。
曲は「女呼んでブギ」なのですが、歌詞?はほとんど「ええじゃないか」だったよな気が。ええじゃないか!の間に「女呼んでブギ」がアレンジされてる感じなのでしょうか。それにしても岸谷さん、「天翔ける風に」にかなり影響されたわね〜と思いました。根国のお祭りですが、幹国民の役のみなさんもこの場面では根国民になって(?)歌い踊っておられます。

その中心となるヤン・平沢さんはむちゃむちゃカッコイイ。。。凛々しい表情、そしてニヤッて笑いながら踊るのよ〜〜〜〜〜ちなみに途中で群集の真ん中に入り込んで群衆をあおるようにゆっくりと踊るところでわたしはいつもくらくらします。只者じゃないわね、あなた!と思わせる貫禄を感じます。

3. 根国の王と剣豪

ダンスが一段落したら、細亜羅(寺脇さん)が群集をかいくぐって登場(びゅん!びゅん!と効果音付き)。激しくなる戦いに敵国の女であるクラウディアのことを思い独白。スローモーションの動きで細亜羅に近づいてくるヤンと取り巻き3人組(カン・コウ・ヘンという名前らしい)。この3人は小野さん、原田さん、石倉さんでしたが、原田さんが休演されていた大阪公演では福島さんが入っておられました。
クラウディアを思い遠くを見つめる細亜羅にぶつかる(っていうかバキっと突き飛ばしてる感じでしたわ(^^;)。繁華街のチンピラのごとく、細亜羅にいちゃもんをつける3人組。しかしその様子を見ていたヤンが「細亜羅じゃないか」と声をかけ、答えて「ヤン様」とひざまづく細亜羅。 ここで「先日の幹国との戦、みごとであった」と殿様のようなお言葉をかけるヤン。渋いわ(^^)
いちゃもんをつけようとしていた相手がただのぼさっと突っ立っている兄ちゃんではなくて、ヤンも一目置く剣豪の細亜羅と知って態度をあらためる(?)3人。おかしなやりとりがひとしきり繰り広げられるのですが、ここのコント(?)は日を追うごとに微妙に変化していましたね。細亜羅と3人のやりとりが上手端で行われている間、ヤン様はひとり貫禄をかもしだしつつ下手側で聞いているのですがたまにニヤッてニヒルな微笑を浮かべておられます。

細亜羅が去っていくと、ヤンは「お前達、これから一杯つきあえ」と言い出す。共同危険区域にいらっしゃるのですか!?と驚く3人に語るヤンの台詞、パンフに載ってます。「今宵の祭りは…」ってやつ。きゃあ〜!!って感じ(意味不明?)

その「今宵の祭りはまだ終わっていない!」の台詞を言ったあと、いざナイトクラブへ!ってなって、ヤンは衣裳をひらりと翻して去っていくのですが、それがなんともなんともカッコイイです〜〜!衣裳の裏のブルーの光沢地に一瞬照明が当たって美しく翻るのでした。またうまいこと翻ること。綺麗〜〜!

4. 共同危険区域・ナイトクラブ/匂艶THE NIGHT CLUB

どうやら二つの国の間に「共同危険区域」という場所があるらしい。そこにあるナイトクラブ。妙な設定ではあるが、深く考えるのはやめときましょう。
クラウディアが歌う「匂艶THE NIGHT CLUB」、女性二人がコーラスをつけています(一人は苑宮さんなのですが、もう一人が?)。途中から幹国民が元気に踊りこんでくるのね。記憶では最初からみんないたようにすり替えが行われていた(笑)この場面では、冒頭の場面と同様、根国民役の人々も幹国民になって(?)元気に踊っておられます。ここは斉藤直樹さんに注目していたのですが、パンフレットの写真のイメージとはかなり違ってまして、あれ、この人かなぁ?って最初迷ってしまった。お髭でワイルドな雰囲気になっておられます。斉藤さん、平沢さんとけっこう台詞のやりとりがあるのよね。

間奏のときに、クラウディアは台から下りてきて、踊るみなさんの間にまぎれ、うるうるの目をして「細亜羅さまーっ」と叫ぶのでした。そして遠くから見ている細亜羅にも姿を見つけてもらえるように、今日もナイトクラブで歌うクラウディアなのでした。
そういえば、ふたりはどこで知り合ったのでしょうね。それは語られませんでしたが、共同危険区域のどこか、ナイトクラブで?よくありそうな話としては、共同危険区域の根国民がいっぱいいるところにまぎれこんでしまって困っていたクラウディアを、たまたま通りかかった細亜羅が助けたとかそんな感じかしら。どっちにしろ運命のいたずらによって偶然出会ってぴぴっと来るものがあったということなのでしょう。

盛り上がって曲が終わると、根国の3人組が飛び込んでくる。そのあとで、おもむろに現れるヤン。きゃーかっこいい〜っ(こればっかり) 迎える幹国のみなさんの台詞によって「根国のキング・ヤン!」と紹介されるヤンなのでした。幹国の人々を追い払おうとするが、当然言うことを聞くわけないので「お休みさせてやれ」と、クールに取り巻きに命令するヤン。(きゃー!)
危うし!幹国の民!

と、そこに響き渡る声。幹国のキング・毘子蔵(岸谷さん)!
強敵の出現に刀をすらりと抜き備えるヤン様。さりげないしぐさがかっこよくてわたしの目は釘付けになってしまうのでした。立ち回りの途中で刀を構えて柄を握り直す手、指の動きとか(こ、細かいっ!)
あ、すみません。話戻りましょう。

なのですが、毘子蔵、せっかくのいいところで決め台詞をかんでしまったりしてがっくし。いっぺん帰るわとか言い出す始末。でもそうやって油断させておいて、さっそうと現れ…いや現れない。
いったいどこだ?ときょろきょろする根国の人々。

5. 幹国の王と女剣士/恋のジャックナイフ

始まる前奏は「恋のジャックナイフ」、幹国民たちが台の前に集まって後ろ向きのまま顔だけこちらへ向けてちょっと変顔をしますが、けっこうわたしここ好きだったりする(笑)
そして、どこからともかくするっと現れた毘子蔵は、きょろきょろしているヤンたち根国民の背後にしのびより、ひとりづつ膝かっくんをして倒すのであった。(笑える!) 全員そうかと思い込んでいましたが、膝かっくんはヤンだけでした。人によって違うんですね。刀の柄でかんちょーとかしてました。それに気付いたとき、ヤンのことしか覚えてないんかい、自分!ってつっこんでしまいました。

毘子蔵と根国民の立ち回り。そのとき、台上に颯爽と現れる美しい人。それは幹国の女剣士、おりえ(三咲レアさん)であった。レアさんかーっこいい!
毘子蔵が現れて歌と立ち回りとダンスになり、おりえ登場に至ってはもうわくわく心躍りますね。かっこいい〜!途中ちょっとコミカルで楽しい。ヤンたち根国民の影が薄くなってます(笑)しかし、端っこのほうでくるくる踊ったりけっこう面白いことやってるので、センターの岸谷さん&レアさんのダンスは見たいし、平沢さんも観たいしでこの場面、わたしは大変苦しいです。
毘子蔵とおりえがばっさばっさと根国の人々をやっつけていき、逃げ帰るヤン達。(ここで平沢さんは刀を置いていってしまうのですが、おや?と思っていたら出てきた武井さんがその刀を持って踊っていました。そういう段取りになっているのね。他の人がどうなのかは不明)意気揚揚と歌い踊る毘子蔵、おりえ、幹国の人々。毘子蔵とおりえを中心とする剣を使っての元気で爽快なダンスです。
この「恋のジャックナイフ」は平沢さんの振付です。

6. 細亜羅とクラウディア/真夏の果実

細亜羅とクラウディア、遠くからお互いの姿をみつめあい心を通わすふたりのパントマイムによる会話。 BGMに「真夏の果実」。
クラウディアは舞台上手の端に、そして橋というか階段の踊り場というかそんな感じの可動式のセットが細亜羅を乗せたまま、後ろからセンターに動いてきます。

遠くから見詰め合う二人の会話。このときクラウディアの後ろには戦いに勝った幹国の人々が思い思いに酒を飲んだりしてくつろいでいます。能見さんとか林希さんがパントマイムの途中でクラウディアと入れ替わったりして笑わせてくれます。
お笑いな会話が繰り広げられた後に、とつぜん(でもないか?)その「真夏の果実」のサビの部分の曲をバックに、クラウディアの真剣な思いが語られる(細亜羅が読むとる)ところがはっとさせられます。
いつまで待てば人目をはばからずにお会いできるのでしょう。あなたに会うためにはこんなに遠い距離を克服しなければならない。そして両国の心の距離は果てしなく遠い。
細亜羅は答えます。日々の努力がとつぜん希望の橋をかける。我々のように互いを思いやる心を持てばいつかきっと。信じることだ。かならず私がなんとかするから。

そこへ、とどろく銃の音。


7. 龍の子/怪物君の空

ヤンと根国の人々再び登場。その中のひとり(田澤さん)が銃を持っている。
負けてヤケになっているヤンと根国の人々。銃をぶっぱなして龍の子を呼んでしまいます(今まで誰も経験なかったのでしょうかね?なかったんでしょうね。)
いけない!銃を撃つと、火薬の匂いにさそわれてあいつが来る!とおりえが叫ぶがかまわず撃つ根国の人。
センターに白い布が下りてきて、龍の赤い映像が映し出される。曲は「怪物君の空」。逃げまどう群集。白い布が落ちて舞台をなめて奥にはけると、そこに龍の子(風間さん)登場。かっこいいですね〜!龍の子を囲んでの殺陣。センターに立つ龍の子、すごい威圧感。龍の子が剣をふるうと風圧のようなものに吹き飛ばされる人々。迫力!アクションを決める人たちがすごいです。

龍の子・風間さんはなんかすごいです。目がいっちゃってます。怖いです。この世ならぬ生き物という無気味な感じがすごくよいです。あれほど人々が逃げ惑う気持ちがわかる説得力のある場面となっています。多少無理のある設定だろうとよくわからない展開であろうと、まあいいかと思わせてくれるのは風間さんの演技に説得力があるせいかと…。それから、なぎ倒される人々のアクションもすごいのです。
この場面、最初に逃げ惑う群集のなかに平沢さんはいますが、龍の子が現れる頃にはいなくなってます。群集とともに下手→上手→下手と移動して、袖に入るのかな?そんな細かいことはどうでもいいといえばどうでもいいですが。
戦い終えて龍の子が階段を上がっていき、舞台後ろまで歩いていきます。このときおびえて逃げる人は神崎順さんですね。


8. 神親殿/月

龍の子が下手端の階段を上がり、舞台後ろの上段に座ると、神親殿がゴンドラに乗って登場。ヤンとおりえが下手上手袖から登場し、それぞれ台の上でひれ伏し、神親殿をたたえる。
ヤン、おりえがひれ伏して「神親殿」と呼びかけ、人々がそれぞれ神親殿をたたえる言葉を口々に言います。そして神親殿・YU-KIさんは「月」を歌います。YU-KIさんの歌声にて人々のゆっくりとしたダンス。幻想的な場面です。曲は「月」。龍の子は後ろの上段に座ったままハーモニカを吹いています。わたし、この場面というかYU-KIさんの歌うこの曲が好きです。

人々はひれ伏して聞いていますが、途中で歌詞に合わせて少し振りが入ります。このとき前列センター近くに今泉由香さんがいるのを発見。どうやらわたし、最初の頃今泉さんと坪井美奈子さんの区別がいまいちついていなかったのですが(なんとなく似てないですか?お二人)、ばっちりわかるようになりました。そのあとヤン・おりえも含めてみんな立っていき、踊りになります。神親殿にむかって全員スローモーションの動きで走るような振りをしたあと、ヤンとおりえはひざまづいて神親殿にお辞儀をします。人々は神親殿に思いを残しつつふりかえりつつ徐々に去っていきます。誰もいなくなると上手側からカーテンがひかれ、舞台は「幹国」となります。


9. おりえと毘子蔵

幹国の人々がくつろぎつつ、今日は何人敵を斬った?という自慢話。18人斬っても刃こぼれひとつない名刀の手入れをするおりえ。しかし、実はその「名刀」は安物で、おりえは騙されて高い代金を払って買ったということが判明。
名前は「ヨクキレール」で、一本買ったらもう一本ついてきて、しかも今なら刀とぎ機「ヨクトゲール」もついてくるなんていううさんくさいお買い物だったのだ。手入れをしていたら安物らしくバキっと折れてしまって、「高かったのにぃ」としゃがみこんで泣くおりえ(可愛い)。おりえが強いのは名刀のおかげなのではなく、真におりえの剣術がすぐれているのでしょうね。弘法筆を選ばずってやつですね。
そこに毘子蔵がやってくる。泣いているおりえを見て、何やってんだ、女泣かすんじゃねーよとみなに説教をしつつおりえをなぐさめ、刀は大切にしないといけねーよと言いつつ、おりえの刀をバキッと踏んで(蹴って?)気がつかない毘子蔵。おりえの表情が変わり、みなの顔がひきつる。怒りに燃えて毘子蔵に斬りかかろうとするおりえをみなで止めてなんとかことなきを得るのでした。おりえはそのままいなくなっちゃいます。
このあと毘子蔵とガンジロウ(斉藤さん)、コイケ(能見さん)たち幹国民との間で笑えるやりとり(長椅子の話とか)が行われまして、それはともかく、国の繁栄のためには…という話になります。


10. 祭りの前

毘子蔵の台詞をうけて「そのためには祭りだ!」と意気盛んに登場するヤンと根国民たち。神親殿の生誕祭は12月25日、この日は一年でもっとも熱く、気温の高い日なんだそうです。民族の血も沸点を超えるのだそうな。(…ってことは南半球なのね、この人たちがいるのは…としょうもないことを考えてみたりする)
両国とも意気さかんに盛り上がる。祭りと戦いは同義語みたいなもののようである。

「行くぞ!」「おー!!」と盛り上がっている両国に対し、下手上手袖からそれぞれ現れ、なぜ戦うのか?平和を望んではいけないのか?と説くおりえと細亜羅。それぞれ自分の国とは遠いほうの舞台袖、細亜羅は上手側、おりえは下手側から現れて、それぞれの国の王と会話をします。
おりえの手は人を斬った血にまみれている。誰よりも刀から逃れられないお前が何を言うのだと毘子蔵に言われ動揺するおりえ。刀を持っているおりえの腕はほんとうに血の赤にまみれていてその色彩にはっとさせられます。
平和を説く二人の言葉には誰も聞く耳をもたない。
「神親殿がそう告げている…」という毘子蔵。誰も神親殿のいうことに疑問をもつものはいない。


11. 神親殿/汚れた台所(キッチン)

神親殿がゴンドラに乗って下りてきて、「平和という神経ガス」について語ります。
そして「汚れた台所(キッチン)」のダンス場面となります。この曲、入れ替わりたちかわりいろんな人が少しづつメインボーカルをとりますが、歌詞はいまいち何言ってるのか聞き取りにくいです(サザンのCD聞いてもよくわからないです)。慣れてきてちょっとわかるようになりましたが、歌詞はとくに気にしなくていいのでは。ノリのいいシャウトな雰囲気と、ポイントは「平和という神経ガス」。これさえ聞こえればいいのではなどというこんな安直な考え方だめ?
ここのダンスがすごくカッコイイ。やってるほうはハードだと思いますが、かっこよくて観ていて熱くなります。
両国が対抗するかのごとく歌いつつ踊るハードなダンスです。ヤンが組体操のごとく人の上に上がって歌ったり、両国の王がセンターへジャンプしたり(うまく表現できない)。とにかくカッコイイです。 この場面は、踊る平沢さんに魂の大半を奪われているので、どうも記憶が曖昧なのですが、途中からというか最後だけ細亜羅とおりえもダンスに入ります。それからNAOさん、平沢さんと並んで前列で踊ってるときものすっごくかっこよかった。この場面ってNAOさんの振付?
ビシッと決めポーズで終わったときは自然と大きな拍手したくなりますよね。むちゃむちゃカッコイイのよ、ほんと。

お芝居の中のこの場面の意味としては、神親殿にあやつられている人々、って感じでしょうか。
なかなかこのときの神親殿を見れなかったのですが、2階席で観たときわかりました。このとき、神親殿はゴンドラに乗ったまま満足げに民衆を見おろし、大きく手を動かし人々を操っています。(それがダンスの振りと合っていました。)


12. 共同危険区域・細亜羅とクラウディア/栞のテーマ

「汚れた台所」のあと、人々がゆっくりと去っていくと、草むらのセットが出てきて、クラウディアがひとり現れ、国のこどものあり方についてひとり語ります。そのときBGMに「FRIENDS」がかかってます。(曲名リストになかったですが。)

人目をしのぶ恋人達、クラウディアと細亜羅の逢瀬。初めて人を愛することを知ったふたりは、なにもかもがきらきらと瑞々しく見えるのでした。細亜羅はクラウディアの手にも触れられないくらいクラウディアが大切で愛しいのでした。恋の始まりってこんなのよね、うん。
このような二人のやりとりがコントで…いや、笑いをまじえながら繰り広げられます。「ごめんよ、クラウディア、触れないよ」って困ったように言う寺脇さんがなんだかいい感じ。
ふたりで歌う「栞のテーマ」。ちょっとふたりのデュエットダンス?
しげみに潜んでそんな二人の様子をうかがう毘子蔵たち。ライオンキングか学芸会かというような草のかぶりものを頭につけて現れ、なぜかリボンの新体操でふたりの周りをくるくる踊るのでした。むっちゃおかしいです(笑)

毘子蔵が「働かない蜂」?のよくわからない比喩を出しつつ、まあ要するに、自分の国の女をたぶらかした敵国の男・細亜羅を責めるわけですが、うしろのしげみに隠れていたクラウディアは、そっと現れたヤンたち根国の人たちに捕らえられてしまいます。
お互いに人質をとった形になった両国ですが、なぜかいきなり「クラウディアをかーえせ!」「細亜羅をかーえせ!」と「はないちもんめ」の勝負になり、お互いにまぬけなことをして、両国とも人質を取り返すのでした。悪口言ったりしてなんだかこどものけんかみたい…ですが妙に楽しそうだ(笑) ここはひたすらクールなヤン様が唯一、可愛い場面です(^^)。


13. 根国

カーテン前。敵国の女と会っていた細亜羅に、何をしていたんだと追求するヤンと根国の人々。
お前のやっていることはご法度だ。神親殿にそむけばどういうことになるのかわかってるのか?との問いに、わかっています、けしてそんなことは…と言って目をそむけ去っていく細亜羅。そんな細亜羅を見送り、「行くぞ!」と続いて去っていくヤンと根国民。最初の頃はぴゅーっていなくなっていたヤンですが、後半はけっこう渋く静かに「行くぞ…」って言って静かに去っていくようになってました。


14. 幹国

根国のみなさんが去ったあと、カーテンがひらくと幹国の人々。敵国の男と会っていたクラウディアをとがめる。毘子蔵は、もうすぐ来る神親殿の「生誕祭」のとき、クラウディアを抱くと宣言しますが、その子はまだ19歳だからだめだとおりえにとめられます。20歳になって初めて迎えるのかなる年なのかとにかくクラウディアは来年の2月14日、その日が「解禁祭」ってことで、それまではそういうことしちゃいけない決まりらしい。ここでわたしの頭には疑問がうずまいた。神親殿って人間なの?神親殿が生まれた12月25日から十月十日逆算して、その日が神親殿を仕込んだ日だとか言ってたような気がするけど…「仕込んだ」って…誰がですか?まあいいですけど。(イエス・キリストをイメージしているのかしら。)
それはともかく。クラウディアの肩にある花の形の痣に目をとめた毘子蔵ははっとして、自分も上着を脱ぎ出す。何事?毘子蔵にも痣が!?と緊張する空気。
なのに、毘子蔵ったらさっと裏返して着て一言。

「リバーシブル」

一瞬にして崩れ去る緊張。(客席爆笑)
いやたしかに、浴衣の柄みたいだった上着を裏返して赤い光沢地の上着になってなかなか素敵でしたけど。
「緊張させやがって〜!!」と怒って刀を振り上げるおりえをガシっと抱えて一同連れ去っていくのでした。逃げる気か〜!!と怒り続けるおりえにお前が勝手に動いてるんじゃないかよと憎まれ口をたたきつつ、毘子蔵はひとりなにかを思いつめた表情を見せ、去っていきます。遠くから太鼓の音が聞こえています。祭りの日は近い。もうすぐ神親殿の生誕祭。


15. 根国の祭り/DING DONG(僕だけのアイドル)

二台の和太鼓演奏から始まる根国の祭り。ここで和太鼓を叩くふたり、今泉由香さんと田澤さん。由香さん、元気に力強く演奏します。こちらまで楽しくなるような活き活きとした表情には惹きつけられます。
そして両手に太鼓のバチのような棒を持って現れる根国の人たち。ヤンもセンターから現れます。かっこいい〜!このとき衣裳の柄が違うように見えたのですが、そうではなくて、たすきをしているのですね。
「DING DONG(僕だけのアイドル)」を歌い踊ります。楽しくて好き。曲が終わるとスローモーションの動きにて男女絡みながら去っていきます。ヤン様も女性をとっかえひっかえです。順番に吉野記代子さん、坪井美奈子さん、今泉由香さん、だったと思う。ダンスの途中からふたりの人が上手側で大きな旗を振っています。ひとりは福島さんです(もうひとりは?)。


16. 幹国の祭り/東京

クラウディアの独白とともに始まる幹国の祭り。根国の祭りとはうってかわってアダルトな雰囲気。闇にうかびあがる花の刺青を思わせる全身タイツをまとった幹国民、あやしくうごめく官能的なダンスです。毘子蔵ももちろんいます。
が、途中で女性達がなぜか白いショーツを揃って脱ぐのです。ダンスの振りとしてですが。はあ?って感じ。いったい誰が考えたんだ?と思っていましたが、パンフレットの対談によると寛斎さんのアイディアだそうです。なんやの、この白いショーツ?せっかくの衣裳に全然合ってないじゃないかと思っていましたが、それならしょうがないですね。でもなんというか、エロティックでもないし、美しくない…とわたしは思いました。曲は「東京」、歌なしです。

これで1幕は終わりです。


二幕へ


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