時に軽やかに、時に激しく、魂を揺さぶるダンス。胸に響くリズム、心に残るメロディ、熱い言葉を 伝える歌。そして、若い役者たちのエネルギーに満ち溢れたステージ…「人」そして「生きること」を テーマに数々の作品を作り上げてきた演出・振付家、謝珠栄がお贈りするミュージカルです。 |
作・演出・振付:謝珠栄
脚本:正塚晴彦
出演:平沢智/竹内千奈津/萩原好峰/福永吉洋 他
古き良き時代のアメリカ。 "サイレントジョー"と呼ばれる老人は、ふとしたことで知り合った青年に、 ある男の物語を話して聞かせる。 男の名は"タック"(平沢智)。 彼はある日ふらりと町へ現れ、不良少年達や言葉を失くした少女"ミュー"(竹内千奈津)と出会い、彼らと心を 通わせる。 ストリートボクサーに挑戦していくタックとのふれあいの中でミューは次第に言葉を取り戻して ゆくが、突如タックは彼らの前から姿を消してしまう。 タックはなぜ何も告げずに立ち去ったのか。 彼は何者だったのか。 |
YESTERDAY IS...HERE 謝珠栄 地球上の全ての生き物に生命の「限り」がある。 それぞれの与えられた運命の中で、一生懸命生きているさまは ドラマを生み出し、そのドラマは、時には私達の心を奮い立たせる。 運命の中でつくりあげられる数えきれないドラマは、宇宙の中で 「生命」をもつ地球だけにしか存在しないものかもしれないなどと 思ったら、ひとつでも恐れや嘆きの少ないドラマが誕生してほしいものだと 思った。そして、そうこう考えるうちに、私はこの物語のタックに出会った。 タックは私にいろんな事を教えてくれた。人として生きていくのに、成功しなくても、 偉くなくても、自分の与えられた運命の中で「生きてゆく」ことを一生懸命やればいい。 そして作り出されたその人のドラマは生き続けるのだから…と、大切な事なのに、 私達人間はこのことを忘れてしまっているのではないかと思う。 私は、私自身もタックの様に生きていければいいナーと思ったら、ふと「タックは天使じゃ ないの?」と問い返す。でも劇中でジョーが言う様に、「天使であれ、人間であれ、この世で 出来る事にたいした違いはない」という言葉の様に、明るい笑顔で人を元気にしたり、 ひとつぶの涙で人の心を感激させたりする私達人間は、みな天使なのかも知れない。 |
何も変わらなくても どんな苦しみを抱えていても 生きている事だけで 素晴らしい事なんだ。 俺がここに生きている。 精一杯生きている。 それが命の答えなんだ。 |
タック (平沢智) |
写真提供:TSミュージカルファンデーション *無断転載・転用等を禁止します* これまでの公演の上演情報とわたしの感想ページ 2000年9月/ 2000年4月/ 1998年1月 |