T.S MUSICAL FOUNDATION ORIGINAL MUSICAL
東京芸術劇場ミュージカル公演

YESTERDAY IS…HERE

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【スタッフ】
作・演出・振付:謝珠栄●脚本:正塚晴彦●音楽:玉麻尚一● 作詞:大場公之●美術:和田平介●照明:塚本悟●音響:山中洋一● 舞台監督:古茂田健二●宣伝美術:HIRA●稽古ピアノ:山口まどか● 助手:中村さち恵・天白由起●照明スタッフ:佐藤弘樹・山崎桂司・塩澤しのぶ● 音響スタッフ:寺田泰人・岩下雅夫●PHOTO:鷲尾倫夫● 記録協力:三井英實●衣装:TSミュージカルファンデーション● 制作スタッフ:飯塚久子・片伯部道子・吉瀬洋子・亀田茂● 主催:東京芸術劇場[(財)東京都教育文化財団]・東京都教育委員会・ (株)TSミュージカルファンデーション● 協賛:(株)住友銀行・(株)東海銀行・(社)東京都教職員互助会・東武鉄道(株)・ (株)東武百貨店池袋店・(株)富士銀行・ホテルフロラシオン青山・ホテルメトロポリタン● 企画・製作:TSミュージカルファンデーション●

【日程】
東京芸術劇場中ホール 1998.1.27-2.1

【キャスト】
ジョー:草薙幸二郎●タック:平沢智●ミュー:竹内千奈津●
スピード:野村興太郎●スムース:萩原好峰●青年:川本昭彦●
ドゥードゥル:粟園真弓●ウクレレ:坂田今日子●マーティン:野口真佐代●
ディンク:岩村薫●チャム:中田由記●マンボ:青井智佳子●
ピッピ:藤咲みどり●フルーシィー:須崎美穂●スカンク:三阪賢●
バーディー:太田浩人●ギルバート:森川次郎●
カゲコーラス:
田中真美子・山田美砂子・法月志都子・永吉純子・長尾純子・青山英子

【演奏】
山口まどか(ピアノ)田野重松(ベース)川口一紀(ドラム)


MUSICAL NUMBER
ACT1
OVERTURE●GOSPEL CHOIR●ゆっくり歩こう〜ドジなNEW COMER●何の為に生まれてきたか●MY NAME●言葉はなくても●ICE CREAM MAN●ディックトレイシー現る●HOW TO BOXING●アレキサンダーラグタイムバンド〜成せば成る●
ACT2
ENTRACT●愛が胸にあれば●町の人気者●一家離散●試合を重ねて●I'M ANGEL●ホントのホント●ハードトレーニング●優しさも愛することも●


噂に聞いていたこの作品、やっと観れました。とっても好きな作品となりました。
正塚先生らしい珠玉のセリフがちりばめられた脚本、芝居、歌、ダンスが渾然一体となったスピーディな展開に、これだけレベルの高い ダンスを見ることができて…平沢さんをはじめとするキャストのみなさん、ホントに動きが素晴らしかったです。 平沢さんのタックはまさにはまり役。それと、とにかく、好みの作品で好きな役者さんが主役ってこんなにいいものか… こんなにずーっと平沢さんのお芝居もダンスも歌も見て聞いていられて、こんなにいろんな表情を見ていられて…、観ながらしみじみ幸せを感じました。
公演に関連して個人的にうれしいことがあって、この年一番思い出深いステージです。《1999.6.20》


下記は観劇当時(1998.1)の感想です。



29日・30日と2回観てきました。とても好きな作品となりました。 再々(々?)演とのことですが、私は今回が初観劇だったので、チラシは読ん でましたが、こんな話とは思ってませんでした。ボクサーをめざす青年の話か と思って、『あしたのジョー』のようなものを想像していました。平沢さんは 「天使」の役だということだけど、なんで天使が関係するんだろうなぁ?とボ ケなことを考えていました。単なる私のカン違いだった(笑)

夢をかなえる手段として、ストリートボクシングが取り入れられているんです が、きっと作り手側の『あしたのジョー』への思い入れなんて詰まっているん じゃないかなーと思いました。観ながら『あしたのジョー』が断片的に頭に浮 かんできてしまった。昔マンガ借りて読んだもので。話は全然違うけど。

空から落ちてきたタック。地道に荷物運びをして働き、殴られるのは嫌だし殴 るのはもっと嫌だと言うタックが、他に方法がなくボクシングに挑戦するとい うのは納得できる展開で、初めての試合のあと「俺も痛かったけど相手のやつ も痛かっただろうな」というタックの言葉は自然でした。ボクサーをめざす話 だなんてとんでもないですね(笑)。タックはただミューの誕生日にハーモニ カを買ってあげたかっただけなんです。荷物運びで稼いだお金ではアイスク リームを買うのが精いっぱいだったんです。

もともと正塚晴彦氏の脚本作品は好きなのですが『YESTERDAY IS...HERE』も 期待にたがわず、私のツボにはまる作品でした。ラストあたりではもうボロボ ロ涙がこぼれて、どーしよーもなくなってしまいました。(えーい、泣いてし まえ〜と自分を開放した)
いささかしゃべらせすぎかな・・・・って感じがしたところはありましたが(これ も正塚作品の特色ではある・・・悪い癖という説もある・・・)心に響くセリフが散 りばめられており、泣かせます。それが全然押しつけがましくなく、しんしん と、こころにしみてくる感じがします。
正塚氏の脚本作品って私は他には宝塚でしか知りませんが、観る人の好き嫌い はきっぱり別れるようです。私は好きです。さりげなく笑いを取り入れるバラ ンス感覚も好き。し、しかし今回、かなり古いギャグもはずしたギャグもあり ました(^^;。・・・ま、 そのはずし加減もそれなりに面白かった…(^^;

タックの物語を語る草薙さんがうまいです。だから多いセリフもあまり気にな りません。サイレントジョーは、胸に秘めてきた物語をどうして語る気になっ たのか。。。普段静かな人が語りはじめると熱弁ってよくあることですね。

ダンスシーンの迫力は言うまでもなくすごい。ダンスのレベルが高いことは充 分予想していたはずなのに、やっぱりびっくりしました。謝珠栄さんの冴えた 振付にそれをスカッと踊りきるダンサーたち、もうホントに観ていて気持ちい いです。また、ダンスシーンが物語に溶け込んでいるのがいい。さすがは振付 と演出をかねる謝さんだけありますね。

平沢さんのタックは、最初は「なんか変な人(^^;・・」でしたが、純粋で一所懸 命で、そんな姿に説得力があって、言葉や行動のひとつひとつが心にするっと 入りこんでくる・・・・そんな天使タックでした。私は気持ち入りまくりで、ミ ューのためにと願い、タックと一緒にボロボロになってしまった気分でした。 またミューの竹内さんがそういう気持ちにさせるだけの魅力を持っています。 可愛い。

タックは、生きている意味に迷って地上に落とされてしまった天使。今は何の 力もなくてミューのためにも何もしてあげられないけど、いつか天に戻るとき が来る、そうすれば奇跡を起こす力が戻ってくるはず。でも・・・。ホントは展 開をもっと詳しく書きたいけど、また再演されることを願って、書かないでお きます。

2回観て、初見からはまったのは言うまでもありませんが、2回目には、セリ フ、歌詞のひとつひとつがより入ってくる感じがして、(2回目のほうが席が よかったせいもあるのですが)もっと入り込みました。二日続けて観て、2回 ともボロボロに泣いてしまうとは。レミゼで号泣し、夢から醒めた夢で号泣 し、このところホントよく泣くようになってしまいました。何観ても冷めてる より幸せかな。

観終わった後、「よい時間をありがとうございました」と素直に言いたくなる 舞台でした。実際、終演後のロビーに謝先生がいらっしゃったので、思わず声 をかけてしまいました。喜んでくださったのでうれしかったです。

それにしてもタックが初日の2日前までギャングのボス(ヴィクター・ヴィク トリアのサル・アンドレッティ役)だったなんて、よく考えてみるとそれはす ごいかもしれない。あまりのギャップに驚きます。私にとってはV.Vは去年 の舞台なんですが・・・(^^;

いつかTSのオリジナル公演を大阪でも観れる日が来ればよいのになぁ。「思 い続ければいつかきっとそうなる」・・・・。《1998.2.2》



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