T.S MUSICAL FOUNDATION ORIGINAL MUSICAL
中国地区演劇鑑賞会統一企画 9月例会


YESTERDAY IS…HERE

一生に一度光り輝く瞬間 人は天使に近づく

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【スタッフ】
作・演出・振付:謝珠栄●脚本:正塚晴彦●音楽:玉麻尚一●作詞:大場公之●
美術:和田平介●照明:塚本悟●音響:山中洋一●舞台監督:山岡均●
歌唱指導:玉麻尚一●衣裳:TSミュージカルファンデーション●宣伝美術:HIRA●
企画・製作:TSミュージカルファンデーション●

【日程】
2000.9.5-10.2 中国地区演劇鑑賞会統一企画 9月例会
詳しくはこちら

【キャスト】
タック:平沢智●ジョー:草薙幸二郎●ミュー:竹内千奈津●
スムース:萩原好峰●スピード:福永吉洋●スカンク:三阪賢●
青年:川本昭彦●ウクレレ:坂田今日子●マーティン:野口真佐代●
チャム:中田由記●ブルーシィー:須崎美穂●マンボ:法月志都子●
ドゥードゥル:長尾純子●ディンク:渡部照代●ピッピ:林綾子●
バーディー:阿部義嗣●

【演奏】
piano:玉麻尚一
(piano:坂基文彦)



YESTERDAY IS…HERE
STORY

古き良き時代のアメリカ。
"サイレントジョー"と呼ばれる老人(草薙幸二郎)は、ふとしたことで知り合った青年に、 ある男の物語を話して聞かせる。

男の名は"タック"(平沢智)。
彼はある日ふらりと町へ現れ、不良少年達や言葉を失くした少女"ミュー"(竹内千奈津)と出会い、彼らと心を 通わせる。
ストリートボクサーに挑戦していくタックとのふれあいの中でミューは次第に言葉を取り戻して ゆくが、突如タックは彼らの前から姿を消してしまう。
タックはなぜ何も告げずに立ち去ったのか。
彼は何者だったのか。


MUSICAL NUMBER

ACT1
OVERTURE●GOSPEL CHOIR●ゆっくり歩こう●ドジなNEW COMER●何の為に生まれてきたか●MY NAME●言葉はなくても●ICE CREAM MAN●ディックトレイシー●HOW TO BOXING●アレキサンダーラグタイムバンド●成せば成る●

ACT2
ENTRACT●愛が胸にあれば●町の人気者●一家離散●試合を重ねて●I'M ANGEL●ホントのホント●ハードトレーニング●優しさも愛することも●

タック『ゆっくり歩こう』
タック『ゆっくり歩こう』



感想入り場面説明って感じでしょうか…。長いです。興味と時間のある方だけどうぞ。《2000.10.7》


ストーリー展開を詳しく説明しています。舞台を未見の方で知りたくない方はこの先を読まないでください。


1幕
幕開きはピアノのかなでる優しいメロディ(『優しさも愛することも』)から。舞台上の照明が暗くなると「YESTERDAY IS…HERE」と書かれた幕が上がる。
そして少年達のコーラス。『GOSPEL CHOIR』かすかに雷が聞こえる雲行きのあやしい雰囲気。暗い舞台のあちこちにそれぞれのポーズでたたずみ、ひざを抱えてじっとしている少年達。ひとりづつスポットが当たっていきます。そして第一声はスムース(萩原好峰)「ニューヨークじゃ株が大暴落してこんな田舎町は失業者だらけさ…」
大人達はみな陰気な顔をして、うっとおしいものを見る目で少年達を見る。スムースは叫ぶ。なんでそんな目で俺達を見る?そんなに邪魔なら産まなきゃよかったじゃないか!

ウクレレ(坂田今日子)ドゥードゥル(長尾純子)は兄弟、母親は毎日違う男を相手に商売をしていて、兄弟は母親の仕事が終わるまで家には帰れない。こんな風にはじき出された少年達は肩を寄せ合い「チーム」を組んで盗みや小さな悪事を重ねてお金や食べ物を得ていた。この場面は、文章で表現するとこんな内容の場面ですが、少年達のコーラスとともに息を呑む迫力のダンスが繰り広げられ、つかみは充分!な場面なのです。

さて、今日もチームはスピード(福永吉洋)の指示のもとりんごを盗もうとしているところ。近くの教会に住むミュー(竹内千奈津)はそんなチームの後をついてまわるが、邪魔にされ、ひとり取り残される。スムースに「邪魔だ!あっち行け!」って言われちゃうんですね。ぽつんと取り残されたミューはひとりハーモニカをふいている。
そんなとき、稲妻が光り(ブルーの照明が空から降りそそぐ感じで綺麗です)雷鳴とともに空から何か落ちてくる。ひらひらとシャツ、ズボン、帽子、そしてゴミ箱の中にドサッという音と「いて!」という声。帽子を拾いびっくりして見つめるミューの前にゴミ箱の中から現れた下着姿の男。服を拾って着ながら「ごめん。驚かしちゃって。俺、怪しいものじゃないんだ」と明るく言う。(そんな格好でゴミ箱から現れて、じゅうぶん怪しいと思う…(^^;)

この男はタック(平沢智)。空から落ちてきた。ここはなんて町?とミューに質問をするが、ミューは口がきけない。「もしかしてしゃべれないの?」
ミューが逃げていってしまい、ひとりになったタックはあせらずのんびりいこうと歌う。『ゆっくり歩こう』
さて、少年達はりんご泥棒の最中。そこに居合わせたタックは人懐っこく少年達に近づいていく。見つかったと思って一度散り散りに逃げた少年達だったが、転んで逃げ遅れた幼いドゥードゥルがタックにつかまってしまい、助け出すべくチームはズタ袋をかぶってタックを驚かそうと戻ってくる。しかし、タックはまったく動じず、そんな少年達を相手に遊んでしまう始末。ここは楽しいダンス場面です。『ドジなNEW COMER』
「おれタック」と自己紹介をし、そしてお腹が空いてるんだとりんごをねだる。やたら人懐っこくてしつこいタックにうんざりする少年達。スピードは、りんごやるからしゃべるなよ…とりんごをひとつ投げて渡す。「しゃべるなよ…」がエコーとなって響く中、りんごをぱくぱく食べるタック。暗転。

場面変わって、ここはとある老人ホーム。りんごを手に現れる老人ひとり。彼は鳥と仲がよい。今日も鳥に餌をやっている。自分のことをあまり語りたがらないから「サイレント・ジョー」と呼ばれていると、ハーモニカを持った青年(川本昭彦)が現れ、語る。「今日はジョーと話をしたい」きっかけになればとジョー(草薙幸二郎)がいつも口ずさんでいるメロディを練習してきてハーモニカを吹いてみる。いきなり演奏したので鳥がびっくりして逃げてしまうが、またすぐにジョーは鳥を呼び集め、「嫌われちゃったかな」と心配する青年に「鳥は誰も恨んだりしない」と語り始める。懐かしいメロディを聞いて、ジョーは懐かしい思い出話を語りたくなったのだ。
ドジで人がいいばかりで、でもいつも瞳は空にむかって輝いていたそんな男の物語を。名前はタック。彼はある日突然ふらりと、貧しい少年達の前に現れた。
このジョーの語りの間に、スローモーションの動きでタックと少年達が下手袖から現れます。タックが少年達にからかわれている場面なんですが、セピア色の雰囲気でとてもいい感じです。タックも少年達も表情が豊かです。ピアノのメロディ(ミューがハーモニカでふいている曲です)が流れ、ちょっとじんとしてしまいます。

スローモーションのまま少年達とタックがセットの陰に消え、ジョーと青年がいなくなると音楽。セットが開いて少年達のダンスと歌です。『何の為に生まれてきたか』この少年達のダンス場面、カッコイイです!!
俺達はゴミくずのようにほったらかしにされ、なんの為に生まれてきたのかわからない。貧しくてどうせくすぶりつづけて終わる人生、生まれた時代が悪いんだ、俺たちのせいじゃない。少年達が歌い踊るうち、荷物運びをして地道に働くタックが現れる。貧しくすさんだ心の少年達は、真面目に働くなんてバカのすることだ、そんなことしてなんになると、汗して働くタックをばかにし、わざと足をひっかけたりして意地悪をします。タックは、貧しければ働くしかない、働いた汗は俺の輝きさ。生きている意味を少しは考えろと少年達を諭しますが、少年達は聞く耳を持たず、ミューのことをさし、あいつは口がきけなくてひとりぼっちで世の中からはじき出されて、それでも生きてる意味があるっていうのか?と反発します。そしてミューのハーモニカをとりあげてからかっている内にうっかりと壊してしまいます。
歌、ダンス、セリフが絡み合い、この場面は東京芸術劇場での初見のときから印象的でした。わたし、特にスムース萩原さんの声が好き。この場面、歌もですが途中のセリフ「あいつを見ろよ!口がきけないんだぜ!…」がとっても印象的…。(当然、幕開きのスムースのセリフもとっても頭に残ってます。今も声が聞こえるよう…)

壊れたハーモニカを拾ってきて見つめるミュー。タックは少年達に「なんでこんなことするんだ。この子の大切な楽しみだったかもしれないのに」と、謝るよう迫ります。 タックが語る言葉は少年達には耳の痛い説教。「だからっていじめていいのか?口がきけなくたってひとりぼっちだって、いじめられるために生まれてきたわけじゃない。人よりつらいことを知っているから、なんでもないことに喜べるんだ。うれしいときは俺達よりずっとうれしいんだ」「お前達は弱虫、俺も弱虫、あの子も弱虫。弱虫がみんなで生きてるんじゃないか。だからもっと優しくなろうよ。」
何を言われようとかたくなな少年達は「そいつが悪いんだ。いつもいじいじして俺達のあとをついてまわって」と、ミューに謝ろうとせず去っていってしまう。だけどミューはチームを恨んではいないし、彼らを怖がってもいない。

タックはミューになんとか元気を出してもらおうとハーモニカを直そうと奮闘するが、うまく行かない。楽しいです、ここ。平沢さんの百面相。やっと笑ったミューに自己紹介をして友達になろうと言うタック。『MY NAME』平沢さんってホントに器用で、平沢さんの手にかかると帽子がまるで生きてるみたいに動きます。タックは全身でミューを元気つけようとします。・・・・いいなぁ(笑)うらやましいぞっ>ミュー。
そんなタックとミューの様子を少年達は気になってこっそり見ていた。彼らも悪ぶってはいるけど悪い人間ではないのである。ミューのことも嫌っているわけじゃない。実は心配で放っておけなかったのだ。タックに「謝る気になって戻ってきたのか」と言われ「よそ者のお前ひとりにミューを任せておくわけにいかないからな」ってスムースが言ったとき、ミューは目を輝かせてうれしそうにスムースを目で追います。ミューのその表情とっても可愛いです。

タックを受け入れた少年達はそれぞれ自己紹介をする。スカンク(三阪賢)、マンボ(法月志都子)、ウクレレ・ドゥードゥル兄弟、ブルーシィー(須崎美穂)、バーディ(阿部義嗣)、マーティン(野口真佐代)、ディンク(渡辺照代)、ピッピ(林綾子)、チャム(中田由記)、スピード、スムース『MY NAME』うちとけた少年達はさっきと全然違う顔をしている。それを指摘されてわざと難しい顔をして去っていく意地っ張りな少年達だが、「俺達は別にミューを嫌っているわけじゃないぜ、じゃあなタック!」と言い残していきます。

少年達が去った後二人きりになったタックとミュー。タックはミューの目を見て「綺麗な目だね」。そして「友達になろう」とミューに歌います。『言葉はなくても』この歌、好き…。言葉はなくても君の心を俺の心に重ね合わせきっとわかりあえる。いつか君が話せる日までそばにいるよ。ミューに対する優しさがにじみ出ていて、平沢さんの歌を聴きながらわたしはいつも涙してしまいます。ミューは紙飛行機を折って飛ばします。タックは紙飛行機をひろって、手の中から赤い花を出しミューに贈ります。ミューはその花を手に何かを言おうとするのだけど言葉は出てきません。ありがとうって言いたいのかな…。ミューは花を握り締めたまま去って行きますが、タックはそんなミューの澄んだ心の中には生きる意味の答えがきっとあると思う。あの子もあの少年達もいじらしいほどに未来を求めている・・・

場面変わってジョーと青年。
ジョーはミューが言葉をなくしたわけを語ります。ミューの父親は有望なボクサーだった。まだ駆け出しだったころに女優だった母親と結婚してミューが生まれたが、父親が頭角を現しさあこれからというときに、母親は別の男と火遊びを始めた。怒った父親は母親を突き飛ばし、打ち所が悪くて母親は死んでしまう。不幸なことにミューはその様子を物陰から見てしまった。父親はミューにこのことは誰にも言ってはいけない。誰かにしゃべるともう一緒にはいられなくなると告げる。ミューは母親を失ったうえにその原因が大好きな父親にあり、またもししゃべったら父親をも失ってしまう、その脅迫観念から自らしゃべることをいっさいやめてしまう。その後ハーモニカひとつを形見に残し父親も死に、ひとりぼっちになったミューは教会に引き取られた。
そういう事情をタックはあとになって知ったが、そんなことはどうでもよかった。ミューの澄んだ心に触れれば触れるほど、なぜこんな無垢な子がこれほどの不幸を背負わなくてはならないのかと思い、ただミューと話をしたい、それだけがタックの望みだった。タックは暇さえあれば教会にミューを訪ねていき、ミューもそんなタックを慕ってふたりはしょっちゅう一緒にいるようになった。

そんなある日。
自転車に乗ったミューをタックが「ミュー、待ってくれよ」と追いかけてきます。今日はミューの誕生日。タックは何かプレゼントをしたい。この前荷物運びでちょっとお金が入ったので、アイスクリームなんてどうかなぁ。まだ食べたことがない苺のアイスクリーム。どんな味がするんだろうなぁ。と、うっとりするタック。自分が食べたいんじゃないの?タック…と、ミューの顔が言ってます。タックは、気配を察して「自分のためなんかじゃないよ。君をだしにしようなんてそんな。でもいつも人がたくさん集まっていてきっとおいしいんだろうなぁ…。ほらあそこに売っている…」と『ICE CREAM MAN』を歌います。これは楽しいナンバーです。そしてカッコイイ!!

タックはミューに、ICE CREAM MANがアイスクリームを売っている様子がいかに楽しげか歌って聞かせます。タックが歌って踊り、ストライプの衣裳のICE CREAM MAN(中田さんと野口さんとあともうひとり…ああ記憶が…)が現れてタック、ミューと一緒に踊ります。わくわくするナンバーです。歌って踊る平沢さんてやっぱり素敵。ICE CREAM MANのダンサーのみなさんもカッコイイ。わたしはひそかにキャーキャー言ってます(^^;;平沢さんて、帽子だとかの小道具使いがむちゃむちゃうまいです。ダンスに入る前、タックはミューにかぶっている帽子を投げて渡し、代わりに舞台下手袖からタックのところにICE CREAM MANのかぶっているカンカン帽が投げられてくるのですが、これっていつも見事に決まりますね。誰が投げてるんだろう?

さて、タックがアイスクリームを買って戻ってくるとミューの姿が見えない。どうして待っててくれないの〜とすねながら見るとミューがいたのは楽器屋さん。そこには綺麗なハーモニカが売られていた。アイスクリームを食べながらもミューはハーモニカに目が釘付けになっている。そうか、ずっとほしかったんだね。とタックはハーモニカの値段を聞きにいくが、8ドル!!とっても手が出ない。

そんな二人のところにスムース、スピード、スカンク、マンボが現れ、賑やかにお金をわけ始める。他の少年達も集まってくる。どうやら何かで稼いできたらしい。タックはどうやったらそんなにお金がもうかるのか知りたくて尋ねるが、少年達はなんと銀行強盗をやってきたと言う。『ディックトレイシー』
話を聞いたタックは驚いて自首しようと少年達を引っ張って行こうとするが、少年達は大笑い。強盗やってこれっぽっちのはずないだろう!タックを騙してからかったのであった。本当は地回りのチンピラに頼まれて、ショバ代を払わない新聞スタンドのオヤジに嫌がらせをしてこづかいを稼いだのだった。その話を聞いてタックは、お前達そんなことばかりして一生何の為に生きてるのかわからなくていいのか!と怒ります。
「俺達にだって夢はある。こんなところにくすぶってないで、いつか出て行くんだ。でもお金を儲けるなら楽なほうがいい」と言う少年達に、タックは「夢っていうのは、一生懸命に生きた褒美なんだ。がんばってがんばってそれだけじゃつらいから楽しいことだってあるんだ。何もせずに手に入れようなんて、お前達のは夢じゃなく欲だ。もう頼まないよ!」と行こうとするが、「金がほしいんじゃないのか。言ってみろよ」と言われて、ミューの誕生日にハーモニカを買いたいと相談します。ハーモニカを買うとなるとかなり稼がないと…ストリートボクシングはどうだ?賭けに勝てば儲かる。ただし元手がいる。いくら持ってるんだよ?と言われてタックが出したのは…5セント。これじゃ賭けることもできないよ!金ができたら来な。やり方教えてやるからさ。と、少年たちはあきれて行こうとします。(このとき、どさくさにまぎれてその5セントをスピードがとってしまうんですね(^^;;)

タックはあきらめきれず、どうしても!ハーモニカさえ買えればいいんだ。と食い下がり、「それなら試合に出るんだな」とスムースに言われ、じゃ試合するよとあっさり答えます。
しかしタックは「ボクシング」って何かわかっていない。少年達はあきれながらもボクシングについて説明してあげます。『HOW TO BOXING』
ここはスムース・スピード・スカンクの3人とタックのかけあいが最高です。絶妙の間で、展開がわかってても笑ってしまいます。とっても楽しい。あの面白さは文章ではうまく表現できないっ。

リズムが大事だと、スカンクの「トーン、トーン、トーン…トントン拍子!」に始まり、スピードのボクシング講座、トレーニング、なぜか途中で卓球が入ったり、スピードとスカンクが一緒にトレーニングしているのに、後ろでタックはふざけてたり(^^;構えの練習でタックがくにゃくにゃしたり(このへん、素で笑ってませんか?>萩原さん(^^;)…ああ、うまく表現できなくてもどかしいっ。アドリブも入って毎回大笑いの場面です。リズムを養うにはダンスが一番。架空のグラマー美人と踊るタックは…手の動きがやらしい(笑)そしてスピード、スムースをパートナーにタックはコミカルに踊ります。この場面は、動きと間がよくって何度観てもやっぱり大笑いしてしまいます。

何かいまいちボクシングって感じじゃないが、まあ似たようなもんだ、大事なのはガッツだ!ミューを見ろ!きっと勝てる!勝ったときのことだけを考えろ!と少年達はタックを試合に送り出します。タックの初めての試合は、リズミカルに影絵で表されます。立派な体格の相手を翻弄しタックは見事に勝ちます。いっぱい殴られて痛かった…でも相手のやつも痛かったんだろうな
そしてミューのあまりの喜びようにタックは驚き、何かを言おうとして言えないミューに、タックは、「君の心の中には言葉がいーっぱい詰まった部屋があるんだ。その部屋の鍵をあける日まで待つよ。ともだちだから」と手を差し出します。その手をミューは両手でしっかりと握りしめ、ミューの小さなからだいっぱいに喜びが溢れています。

少年達はタックの勝利を祝福し、得られたお金でミューにハーモニカをプレゼントします。マーティンが捧げ持ったハーモニカをミューが受け取り、ミューが指差すところを見るとハーモニカに「ミュー」と名前が彫ってある。照れる少年達。タックはみんなにお礼を言い、ミューは・・・言葉の代わりにハーモニカをふいてひとりひとりに語りかけようとします。もしかしたら、ミューはしゃべれるようになるんじゃないか?そういう気持ちになった少年達に、タックは、そうだよ。思いつづければ、いつかきっとそうなる。中途半端じゃなく、一生懸命努力して思いつづければきっと夢はかなう。と語ります。

タックの試合を通じて物事に一生懸命取組むことの大切さを知った少年達は、将来の夢を語ります。アメリカ一のビッグバンドを作るんだ…。「想像してごらん。町中がお前達の楽器だ。」タックに言われ、少年達は思い思いに楽器(それはバケツやほうき、破れた傘、トタン板などのガラクタなのだけど)を手に、演奏します。『アレキサンダーラグタイムバンド』
そして、今は何も持ってないけど、きっといつか。思い続ければ、一生懸命努力して思い続ければきっと夢はかなう。人任せじゃなく夢は自分でつかむんだと歌います。『成せば成る』

ここは、タック、ミュー、少年達の歌とダンスで盛りあがり、とても楽しいです。「クレイジー・フォー・ユー」の1幕ラストを思わせる雰囲気ですね。(ちょっと違うかな…?)そして全員はけていくんですが、タックがひとり残って「ただいまより15分間の休憩です」と言いつつ去ろうとしてコケる。平沢さんって…こけるのうまいっ!(笑)

さて、15分間の休憩のあと2幕へ



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