【スタッフ】 MUSICAL NUMBER STORY
原案・演出・振付:謝珠栄●脚本:佐藤万里●作曲:玉麻尚一、たいせー●
美術:和田平介●照明:塚本悟●音響:山中洋一●
舞台監督:浅沼宣夫●助手:中村さち恵●歌唱指導:玉麻尚一●稽古ピアノ:中山あき●
Photo:相澤伸也●衣裳:TAMAE●演出部:ジ・アクト・コネクション、椎塚明子、稲次博、村上勇作●
照明スタッフ:A.S.G、佐藤弘樹、原嶋一晃、大平智己、遠山京子●音響スタッフ:サウンドクラフト、寺田泰人、入倉幸司、村上真樹●
衣裳製作協力:中野寿美子(アトリエ ナカノ)●大道具:C-COM●小道具:高津映画装飾●
制作:TSミュージカルファンデーション 飯塚久子、片伯部道子、乾里花、吉瀬洋子●
Special thanks to サンシャインスタジオ、株式会社TBSサービス、武井優子、平沢靖、萩原好峰、太田浩人●
主催:全労済●提携:スペースゼロ●協賛:ジャパンフリトレー株式会社●企画・製作:TSミュージカルファンデーション●
【日程】
スペースゼロ 1999.11.26-12.5 他
上演時間:1幕(1時間5分)休憩(15分)2幕(1時間10分)
販売物:パンフレット(500円・A4版)Tシャツ(1500円)
【キャスト】
Sergei:大森博、Gerald:平沢智
The Cockroaches:田中利花、福島桂子、美月ノア
斉藤レイ、坂田今日子、小野妃香里、中田由記
GOSPEL:吾郷多津子、阿部桃子、飯田春香、池田祐子、板倉史、稲垣絵美、遠田真弓
大橋志津佳、甲斐瑞夏、悴田晃子、川島浩美、木村知美、黒瀬花絵、黒瀬宏子、小暮真理
小林絵理、澤畑理恵、立石暁子、田中紀美子、冨田佳央理、長尾純子、梨本貴世、成久陽子
法月志都子、林明日香、林綾子、広石加代、堀江涼花、松野良子、峯岸俊子、渡部照代
【演奏】
ピアノ:玉麻尚一、ドラム:宮地良幸、ベース:えがわとぶを、ラテンパーカッション:関聡美
-ACT 1-
M0 ラ・クラカッチャ●
M1 ROOM NUMBER 4C(People of Down Town)●
M2 僕の探しているモノは何?●
M3 暗闇の向こう側●
M4 僕は迷(?)探偵●
M5 ROOM NUMBER 4C(reprise)●
M6 MY ROOM●
M7 I LOVE ELVIS●
M8 1956●
M9 ひいひいばあちゃんの話●
M10 私は誰なのか?●
M11 The BATTLE●
M12 忘れモノ 探しモノ●
-ACT 2-
M13 忘れモノ 探しモノ 嫌われモノ●
M14 フェロモン●
M15 昨日 今日 明日●
M16 ヒ・ミ・ツ●
M17 ガーボロジーダンス●
M18 どうすればいい●
M19 君の中の僕●
M20 ゴスペル・ソング●
NYに住む探偵のジェラードは何をやっても失敗ばかりで、すっかり生きる気力を失っていた。そこへ
ある男が舞い込んでくる。名前はセルゲイ、職業は医者で、ジェラードのアパートメントは、その男の
部屋だと言うが、どうも言っていることがチグハグで信じられない。
なぜなら、彼は記憶を積み重ねることができない病気(ウェルネッケ脳症)にかかっていたのだ。
さらに、セルゲイは5年間もの記憶を人生から失っていた。探偵であるジェラードは、彼のために
記憶探しの旅へと出発する。次々と、解けていく謎また謎。思わぬ真実に遭遇するジェラードとセルゲイ。
ぶつかり合いながらも心を通わせていく二人の間にはいつしか、生きる力と友情が育っていた。(パンフレットより)
初演から2年。セルゲイ&ジェラード&ゴキブリシスターズが帰ってきました(^^)。 今回のステージはかなりすっきりした印象。初演の狭いシアターVアカサカを埋め尽くす感じのあのうっとおし〜い雰囲気(^^;が 懐かしく残念な方もおられると思うんだけど、今回かなりすっきりと一般向き(?)になりました。 ラストのゴスペルも、ずいぶんすっきりしたと思います。自分が慣れたせいかもしれないのですが、わたしは今回この場面とっても楽しめるようになったのでした。 2年前は、この場面自体が悪いわけじゃないけど、「ああああ〜いままでの芝居の感動はどこに〜〜〜」と悲しかったものですが。 (だが…今回初見の友達がやはりこのゴスペルでひいてしまったという事実もある。初見だけど楽しめたという友達もいる…いろいろです) わたしも初日は「やはりちょっと長い…」と思ったのですが、3回目の観劇(3列目通路際だったのだけど)くらいからまったくOKになって (慣れたってことかしら)、千秋楽ではもうきっぱり!楽しかったです。手拍子も自然に出ていました。 このあとのラストシーンがさりげによいのですが、今回、静かになった舞台に、その前の場面までの空気がとぎれることなく、 すっ・・・と戻ってくるように感じました。セルゲイとジェラードがいなくなった隙にゴキブリが集まって大騒ぎしていたんだなぁ (想像すると怖いが(^^;)と、芝居の流れとしてとらえられるようになりましたね、わたしの中では。 会場が広くなったのもすっきりした大きな要因だとは思いますが、人物のキャラクターや台詞もちょっと変わって、 最初にも書いたように「一般向き」になったという印象です。 ジェラードもすこし大人っぽくなって、あひるのおもちゃ、ぺろぺろキャンディー、半ズボンはやめたのね。 「もう半ズボンって歳でもないしね」と平沢さんは言ってらしたけど、そういう表面的な年齢のこととは別に、 この2年間の役者としての平沢さん自身の成長もあるだろうし、 小道具に頼らず芝居で勝負ってことなんじゃないのかな、なんて勝手に考えています。 まあそんなことを考えたのは公演が終わってからで、初日に思ったのは、めがねが違うってことと、半ズボンじゃないのねってことくらい。 それと、平沢さんのお芝居、観ていて安心感あるなぁって感じました。 2年前の初演のとき、わたしは平沢さんのお芝居をじっくり観るの初めてだったんです。 ダンサーとしての平沢さんか、ミュージカルでも普通の人の役(?)って観たことなかったから。 初演の感想でも書いていますが、この作品で役者としての平沢さんにも惹かれるようになりました。 でもって、今回また、惚れ直したかな(*^^*)。 ジェラードが成長した分、セルゲイとの関係も対等な感じが増して、その分セルゲイ大森博さんの魅力も、 より発揮されたんじゃないかなと、これまた勝手に思っています。 さて、初演のファイルを修正する形で上記の上演情報を書いたのですけど、ミュージカルナンバーも整理されて一曲減りましたね。 初演ってジェラードが自殺を企てるところ、歌でつづられてましたっけ?「ジェラードの自殺マニュアル」って曲があったのですよ。 曲の順番も少し変わってました。まあ、細かいことはいいか。置いとこう。 わたしの中ではですね、今回の公演、初日を観て最初に一番大きく印象が違うと思ったのはゴキブリシスターズ。 実のところ初演は福麻むつ美さんの印象だけが際立って強く残っていて、 実際ゴキブリシスターズがどんな風に活躍してたのかあんまりよく覚えてないのです…。 今回はシスターズとしての活躍場面がとてもパワーアップしているように思いました。 2年前より、出演している役者さんたちのことをわたし自身がよく知って馴染みができたせいもあると思いますが、 えええっ?と驚くような女優さんをキャスティングしていて、ゴキブリシスターズに力を入れたのねと感じました。 そのボス、田中利花さんはこのところ「シーソー」「ローリング・ストーン」「リトル・ミー」と、 平沢さんと共演することが多くわたしにとってすっかり馴染みの女優さんとなってますが、 期待どおりのパワフルな歌声になんか可愛らしい(なんて言っても許してもらえるかしら(^^;)雰囲気のゴキブリのボスです。 福島桂子さんと美月ノアさん、最初、この二人がゴキブリの手下(?)ですかぁぁっって驚いたものです。 美月さんは宝塚時代から知ってますが、大人のいい女を演じたら天下一品でした。それがゴキブリの役ですかぁ〜って、 知ったときなんだか複雑でしたが(笑)今回もしっとりと歌を聞かせてくださってますね(^^)。 福島さんは相変わらずパワフルに、歌って踊っての大活躍。安心して観ていられます。 加えて、斉藤レイさん、坂田今日子さん、小野妃香里さん、中田由記さんという素晴らしいダンサー達が 謝先生の振り付けをダイナミックかつパワフルにそしてセクシーに踊りまくるという…ホントに観ないと損ですよ! (って、今回もう終わってしまいました…(^^;またいずれ再演があるかと…) ゴキブリシスターズの場面以外はだいたいが大森さんと平沢さんの二人芝居なわけですが、 初演に増してこの二人ますます息はぴったりです(^^)。セルゲイ&ジェラードのかけあい最高ですわ、まったく(^o^)。 歌に関しては、お二人とも時折音程がちょっと…「うっ」って思わせてくれるときがありますが、 お芝居の中で歌われる歌としては別に気になりません(わたしは、です)。心に響く歌も多いです。 2幕でセルゲイを思うジェラードの歌には涙してしまいました。ラスト前の場面はもう・・・息をのんで見入っていました。 平沢さんのダンス場面は病院の場面くらい(でも短い)で、ほとんどないんですが、歌って踊る場面、 さりげなくする動作など、やはり動きはさすが。カッコイイ! なにげなくさも普通のことみたいにやっているけど、あんなの普通できないよなぁって感動してしまいます。 つい1ヶ月少し前は「アナザデイ」に出ていた平沢さんですが、ミュージカルな平沢さんって久しぶりに観るようで、初日、 歌って踊っているのを観るだけでキャーキャー(心の中で)言ってしまいました(^^;;(もっと落ち着いて観なくてはと反省した) 千秋楽は通常のカーテンコールに加え、「忘れモノ探しモノ」をもう1回みんなで歌い、 ステージ上は天井から降る紙吹雪と色とりどりの紙テープの洪水。 2年前の千秋楽もこんなのだったなぁと思いをよみがえらせていました。盛り上がりは初演のほうがすごかったですね。 初演のシアターVアカサカは舞台と客席が一体になれる濃密な空間でしたね。 千秋楽のロビーに謝先生がいらっしゃってご挨拶はさせていただいたのですが、感想言いたかったのにとっさだと何も言えなくて、 わたしって情けないわ・・・。(自己嫌悪)あとでならこんなに長くてくどい(^^;感想書けるのになぁ。 この作品は、深刻なテーマを扱いながらも重くならずさらりと描いてみせ、笑いを盛り込み歌とダンスで魅せ、 そしてけして安直な解決に走らない真面目な取り組みが感じられる作品。 つらくどうしようもない現実を描きながらも、それでいて、暖かく明るく前向きな気持ちにさせてくれる作品だったと思います。 ところで、このステージは来年、TV放送があります。12月4日(土)ソワレにNHKのビデオカメラが入っていました。 (2000年1月24日、NHK BSにて放送予定だそうです。) この日ビデオ撮りってことで平沢さんも大森さんもちょっと緊張してらしたかなぁ?って思う…。 翌日の千秋楽はお二人とも最初から生き生きと絶好調で「おおおっ昨日と違うっ…」と思ってしまいました。 あ、誤解のないように。あくまでも比較の問題であってけして土曜がよくなかったわけじゃないです。 なんにしろ、TSのオリジナル作品、平沢さんの主演作品をTVで観られる日が来ようとは。うれしい(T_T)。 (できることなら「YESTERDAY IS...HERE」も収録して放送してほしい…と切に願う…。) 一般公演は東京だけの上演だったので、TV放送はホントにうれしい。舞台は生で観るのが一番、映像じゃその魅力は充分に伝わらないかもとはわかっていても、 家のTVで観られる、また観られなかった友達にも観てもらえると思うと、とってもうれしいです。 《1999.12.9》 さて、各場面について説明しつつ感想を述べたネタばれバージョンはこちらです。 |